LABORATORY熱の実験室

 
熱の実験室-新館
第22回 ラバーヒーターでポップコーンを作る
5ブロックの実験メンバーが交代で担当します
実験実施: 2011年3月~8月、 実験担当: 第4ブロック

 1.はじめに

 自宅で簡単に、できたてのポップコーンを楽しめるように、レンジやガスコンロで加熱して手作りできるポップコーンの素がスーパーなどで売られています。これをレンジやガスコンロで調理したら、おいしくできるのは当たり前ですが、ラバーヒーターで加熱するとどうなるのでしょうか? 2004年に掲載された熱の実験室―新館・第2回では、長方形のラバーヒーター(200V 80W)を3枚並べて、両面テープでポップコーンの容器の底に貼り付けて加熱しましたが、うまくコーンに熱が回らず、全体量の1/3しか膨らみませんでした。今回はその続編として、ラバーヒーターで加熱してポップコーンができるのか確認するため、実験を行いました。

 2. 実験手順

 ポップコーンの素は、ガスコンロで加熱する取っ手付きの物を使用しました(図1)。

 熱源には、ガスコンロ、ラバーヒーター、そして番外編としてラバーヒーターと同じ面状ヒーターであるスペースヒーターの3種類を使用しました。

 ヒーターの大きさは容器底面の直径に合わせてφ140mmあるいは150mm角のヒーターを用いました。

図 1
表1 ヒーター仕様
実験No. 熱源 電圧
[V]
容量
[W]
ワット密度
[W/cm2]
寸法 備考
No.0 ガス - - - - カセットコンロ
No.1 ラバーヒーター 100 90 0.6 φ140mm 規格品 SBH2405
No.2 154 1.0 φ140mm 高温タイプ
No.3 340 1.5 □150mm 高温タイプ
No.4 スペースヒーター 340 1.5 □150mm ボンデ鋼板
No.5 680 3.0 □150mm ボンデ鋼板

 3. 実験結果

  実験No.0

 まず、本来の調理法であるガスコンロで、ポップコーンを作りました。説明書き通りに、弱火で容器をゆすりながら加熱を始めました(a)。加熱開始から15秒後には、油が溶けてぐつぐつという音を立てていました。50秒後に一つ目のコーンがはじけ、その15秒後に、次々とコーンが弾けていきました。
 そして、開始から2分20秒で加熱を終えました(b)。
 フィルムを開けるとアツアツのポップコーンが、出来上がっていました(c)。
 上の方のコーンはおいしく出来上がっていましたが、最後、火を止めるタイミングがよくわからず、容器の下の方には黒く焦げてしまったコーンもありました(d)。