LABORATORY熱の実験室

 ● もう一度重量測定

 ポリ袋がだめなら、何か重量が変化しない容器に粉末を移し、測定するしかありません。探し回ったところ、秤量瓶というガラスの容器がありましたので、この中にポリ袋の中の粉末を移しました。ところが、特にCの地下水は粉末がポリ袋にくっ付いているし、これを全部集めるのはそんなに簡単ではありません。できるだけ集めたつもりですが、感じとしては水の種類で違いますが、70~90%程度の回収率だと思います。

左から、A:いつくしみの湯 B:温湯温泉の湯 C:地下水
 空の秤量瓶の重量、ポリ袋内の粉末を入れた秤量瓶の重量から、成分の量を求めたのが次の表です。
  空の秤量瓶 粉末を入れた秤量瓶 成分の量
A: いつくしみの湯 14.47g 14.88g 0.41g
B: 温湯温泉の湯 14.58g 15.22g 0.64g
C: 地下水 14.74g 14.84g 0.10g
 この中で、成分がわかっているBの温湯温泉の成分量は868.3mg/kgです。実際には、成分表に掲載されている分析がされたときと現在で、成分量が変わっているかもしれませんが、今回の測定値は成分表の74%です。ポリ袋から回収できなかった量は、成分量が違ってもあまり変わらないと思いますから、Cの地下水は回収率が低いはずです。Aのいつくしみの湯については、実際の成分量として500mg/kg程度と推測します。

 ● 結果として

 いつくしみの湯は、一見湧き水のように見えますが、成分量は地下水よりはるかに多く、温度は19℃と低いものの温泉の成分のようです。集めた粉末はさらさらしていて、塩分が多い温湯温泉とは違いました。坂城町温泉スタンド(上平島温泉)-成分量597.7mg/kg からいつくしみの湯までは、直線距離で4kmほどなので、こちらに近いような成分だろうと思います。