LABORATORY熱の実験室


 ● 湯温の変化

 「半過観音いつくしみ(大慈)の湯」で湯(水)を入れてから、浴槽に入れるまでの温度変化は、次のグラフの通りです。
 
 加熱前の湯(水)温は約17℃で、この時期になると外気温よりは高くなっています。急な傾きで温度上昇している部分は、別バージョンヒーターで加熱しています。このヒーターでは、発熱部分がローリータンクの底より少し上にあって、5kWと大きいことも影響していると思いますが、No.1上側に比べて、No2下側の温度が5℃以上低くなっています。別バージョンヒーターでの加熱が終わって、エスハイを移動したとき、No2下側の温度が大きく上下して、40℃以下になっている部分もありますので、タンクの底の周辺部では更に低い温度になっていたようです。
 いつもの温泉配達用ヒーターに切り替えてからは、No.1とNo.2の温度差は小さくなって安定しています。タンクの底から加熱すれば、攪拌しなくても自然対流だけで、タンク内の温度をかなり均一にできることがわかります。

 ● 温泉に入ってみた

 いつものように、20リットルポリタンク2個を使って浴槽に運びました。温泉らしい匂いは多少ありますが、強くはありません。少し白く濁っているので、浴槽に入れた様子はちょっと趣があるようにも見えます。
 入ると、直接の温泉の匂いは弱いのですが、湯に入れた手にはしっかりと硫黄の匂いが付きます。そして、少しヌルヌル感というかスベスベ感は、坂城町温泉スタンド(上平島温泉)のときに近い感じでした。
 そして後日、この温泉の硫黄が実は強いことがわかりました。硫黄分の多い温泉では、タオルなどに付いた匂いが洗剤で洗っても残ることがありますが、同じように、洗濯をした後でも少し匂いが残るくらいなのです。白く濁っているのは、初めは気体の細かい泡があるものと考えてましたが、この硫黄と関係があるのかな、とも思いました。
 無料の温泉スタンドもあるし、有料でも200リットル100円の坂城町温泉スタンド(上平島温泉)も近くにあるのに、冷たい「半過観音いつくしみ(大慈)の湯」を汲むのは、よほど暇か変わっているか、と思われるかもしれません。でも、湧き水のように見えるのに、硫黄の強さが際立っていて、しっかり温泉してました、というのがわかって良かったと思います。