LABORATORY熱の実験室

3. 実験結果

 各試験時の試験条件は以下のとおり。
(a) 熱風加熱
  • 室温:20℃ ・熱風発生機インバーター出力周波数:60Hz 
  • 温度制御:熱風・遠赤加熱ユニットの熱風吹出し口100℃設定で温調
(b) 遠赤加熱
  • 室温:20℃ ・印加電圧200V 定格消費電力1.4kW
  • 温度制御:なし
(c) 遠赤・熱風併用加熱
  • 室温:20℃ ・熱風発生機インバーター出力周波数:60Hz 
  • 熱風制御:熱風・遠赤加熱ユニットの熱風吹出し口100℃設定で温調
  • 遠赤加熱:印加電圧200V 定格消費電力1.4kW 温度制御なし

3.1 見た目・触感の変化

 Table 1は各加熱方式による乾燥開始から15分おきに撮影したサンプル表面の状態の写真です((a)は一部、抜けあり)。最も劇的な変化があったのは(b)遠赤加熱で、開始から45分後には表面が白っぽくなり触った感じはカサカサで固い状態、60分後には部分的に焦げが発生し、加熱を終了した90分後には全体的に焦げがつき茶色に変化しました。触ろうとすると火傷しそうなくらい表面温度は高かったので、「干す」というよりは「焼く」に近い状態だったと思われます。対して(c)遠赤・熱風併用加熱では乾燥から60分くらいまでは触ってもそれほど熱さは感じず、それ以降、乾燥が進んで水分が少なくなってくると、触った時の表面温度が高く感じるようになりました。
  (a)熱風加熱と(c)遠赤・熱風併用加熱のサンプルは乾燥が進むにつれて色が、鮮やかな黄色に変化していく様子が見られました。水分が抜けることで光の透過率が上がり、サツマイモ本来の色が見えてくるようになったためと考えられます。見た目的にはこの二つの乾燥方法によって乾燥させたサツマイモが最も干し芋に近い状態になったのではないかと思います。
Table 1
経過時間 (a)熱風加熱 (b)遠赤加熱 (c)遠赤・熱風併用加熱
15分後
30分後
45分後
60分後
75分後
90分後
105分後
120分後