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第58回 遠赤・熱風加熱で干し芋をつくろう
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第58回 遠赤・熱風加熱で干し芋をつくろう
レッド・イエロー・ピンク・グリーン 4チームが担当
実験実施: 2023年2月、 実験担当:
チームレッド
1. はじめに
焼き芋フェスやサツマイモ博などサツマイモに特化したイベントが行われるなど、空前のサツマイモブームが到来していると感じる今日この頃。このサツマイモのブームに乗じて、サツマイモの乾燥=干し芋を作る実験に挑戦してみたいと思います。
干し芋は蒸す・切る・干すと非常にシンプルな工程で作ることができ、古くから保存食として親しまれています。干し芋生産者によって蒸す・切る・干す工程のそれぞれにノウハウがあり、干す工程では天日で乾燥させるあるいは機械で乾燥させるなど生産者ごとにこだわりの方法があるようです。天日干しは手間と時間がかかってしまうため今回は、当社の熱風発生機と遠赤外線ヒーターを使ってサツマイモを乾燥させたらどうなるか、実験してみました。
2. 実験方法
2.1 使用したもの
サツマイモ(茨城県産紅はるか Fig.1)
熱風発生機HAP2102F(三相200V ヒーター容量10kW Fig.2)
熱風・遠赤加熱ユニット(200V1.4kW Fig.3)
水分計(OHAUS製 MB25 Fig.4)
Brix糖度計(手持屈折計 Fig.5)
蒸し器
Fig. 1 サツマイモ
Fig. 2 熱風発生機HAP2102F
Fig. 3 遠赤・熱風加熱ユニット
Fig. 4 水分計
Fig. 5 Brix糖度計
2.2 予備実験(水分量の測定)
蒸かした後のサツマイモの水分量を測定する予備実験を実施しました。サツマイモを皮ごと蒸し器で1時間蒸かし(Fig.6)、皮を取り除いて、水分量を測定するためのサンプル(6g程度)を採取しました。1時間蒸かした後のサツマイモは爪楊枝で刺すと中までスムースに刺さり、中心まで火が十分に通っていることが確認できました。
水分計にサンプルをセット、乾燥温度を100℃設定とし、水分量を測定しました。水分率は熱により乾燥したサンプルからどれだけの質量が失われたかにより測定されます。60秒間に失われる質量が1mgよりも少ないことが検知されると乾燥プロセスが終了し、測定完了となります。
測定の結果、1時間蒸かした後のサツマイモの水分率は56%でした。
2.3 本実験
予備実験と同様にサツマイモを1時間蒸かし、皮を取り除きました。乾燥させるサンプルは30mm×40mm×t5mm程度(10g前後)の大きさに切り分けました。
切り分けたサンプルを(a)熱風加熱のみ、(b)遠赤加熱のみ、(c)遠赤・熱風併用加熱の3パターンで乾燥させ、質量(水分量)、見た目、触感、味、糖度などがどのように変化するか、また乾燥方法によってどのような差異が生じるか調査しました。
サンプルはFig.7のように金網の上に、サンプル同士が重ならないように配置し、金網と遠赤・熱風加熱ユニット間の距離は150mmとしました。(Fig.8)
糖度測定は乾燥開始から30分おきに、乾燥中のサンプルから検体を採取し、検体の2倍の質量の水と混ぜ、ペースト状にしたものを、Brix糖度計にセットして測定しました。(上記の場合、糖度計で読み取った値の3倍の数値をBrix糖度としました。)
糖度測定と同様に30分おきに試食を行って、味や食感の変化を調べました。
Fig. 6
Fig. 7
Fig. 8
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