LABORATORY熱の実験室


 次に変化があったのでは、(2)投込みヒーター(温調器なし・温度ヒューズなし)。バケツの側面がヒーターの熱で溶けて透けています!
 完全に水がなくなって空焼き状態になり、煙がモクモク。そしてついに・・・。
 バケツから炎が! このまま放置すると火事になってしまうのですぐに消火しました。
 バケツには穴が開き、下に敷いていた木板は焼け焦げていました。
投込みヒーター(温度ヒューズなし) 発火の瞬間
 最後に残ったのは、(3)バケツ用投込みヒーター(温調器付き・温度ヒューズなし)。温調器の最高設定温度が80℃だったこともあり、水が減るスピードも他の2つに比べて遅いうえ、水位が感熱部より低くなってからは、感熱部が露出した発熱部の温度の影響を強く受け、ヒーターの温度が上がりきる前に温調器が働いてしまい、水温も下がる一方・・・。
 このまま放置しても、いずれは空焼きにはなりますが、それでは日が暮れてしまうので水を少しずつ掬って水位を下げていきました。
 そしてヒーター発熱部が完全に水から顔を出した時、変化が! 急激に発熱部の温度が上がりはじめました! 感熱部へその熱が伝わるまでの間に、ヒーター先端の発熱部温度は急上昇。さらに温調器のON・OFFを繰り返す度に発熱部の最高温度はどんどん上がっていきました。
 もう少し実験を続けたいところでしたが、日も暮れてかなり冷え込んできたため、ここで実験は終了。
  急昇温により、ヒーターが変色してしまいました
 今回の実験はここで終了してしまいましたが、このまま通電を続けていると脚部から水に熱が伝わることにより、徐々に水が蒸発してバケツ内の水がなくなり、温度ヒューズなしの時と同様に発火するものと思われます。あるいは、その前に感熱部が耐熱限界を迎え、温調器が壊れ、同じく発火することが予想されます。もしも接点がOFF状態で温調器が故障すれば、辛うじて火災を免れることができるかもしれませんが、そこは運次第です。
バケツ用投込みヒーター(温調器付き) 急昇温

4.まとめ

  • (1) 温調器なし・温度ヒューズ付きの投込みヒーター
  •  空焼きになることなく、断電しました。
  • (2) 温調器なし・温度ヒューズなしの投込みヒーター
  •  通電し続けると空焼きになり、火災繋がる可能性があります。
  • (3) 温調器付き・温度ヒューズなしの投込みヒーター
  •  水が蒸発するまでに時間がかかりますが、いずれは空焼きになり、火災に繋がる可能性があります。
 とても便利な投込みヒーターですが、例え温調器付きのヒーターであっても過昇温防止にはならず、使い方を間違えれば火災の危険性があるということが、今回の試験でわかりました。
 また、今回の実験では樹脂バケツを使用しましたが、ヒーターの熱でバケツが溶けてしまう可能性があります。皆様がご使用される場合は、金属バケツを使うようにしてください。
 今年は「GIVE SAFE ヒーター Lite」で、安全に寒い冬を乗り切りましょう。

5. おまけ

 今回の試験のタイムラプス動画を撮影してみました。

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