熱の実験室-新館
第56回 ホットプレートを用いたアルミろう付け
レッド・イエロー・ピンク・グリーン 4チームが担当
実験実施: 2022年9月、 実験担当: チームイエロー
1. はじめに
アルミを接合する方法はいろいろありますが、高価な機材が必要なく、手軽な方法として「ろう付け」が知られています。しかし、アルミは融点が低いこと、ろう付けの作業温度とのアルミの融点の差が小さいこと、見た目ではアルミが作業温度に到達したことが判別できないことなどから、高難易度のろう付けとされています。
今回は、温度管理が容易なホットプレートを使用したアルミのろう付けについて、実験を行いました。
2. 実験
2-1. 使用したもの

図1 ホットプレート
- ホットプレート
3回路カートリッジヒーターを使用したホットプレート
定格: 単相200V 15.7kW
内側1点、外周8点個別に温度制御が可能な仕様
- アルミ用ろう材
ナイス株式会社製 アルミニウムろう付け用フラックスコアードワイヤ
銘柄: Alu19FCW-CsH
フラックスがワイヤに充填されているろう材で、ろう付け部品へのフラックス塗布が不要。
- アルミ板
材質: A1050、厚み: 0.5mm
- アルミワイヤ
材質: A1070、直径: φ1mm
2-2. 予備実験

図2 溶け広がるアルミ用ろう材
アルミろう付けを行う前に、ホットプレート表面温度が何℃でアルミ用ろう材が溶けるのか確認を行いました。
まず、加熱したホットプレートの上にアルミ板を載せ、アルミ用ろう材を押し当てました。一般的なガストーチによる炎にアルミ用ろう材がさらされますが、今回の実験ではホットプレート上が常温の大気に解放されています。そのためメーカー推奨のろう付け温度ではろう材がなかなか溶けず、熱板表面温度が630℃程度(アルミ板は620℃程度)で、比較的短時間でろう材が溶けることを確認しました。