熱の実験室-新館
第49回 投込みヒーターとラバーヒーターどちらが早く温められる!?
レッド・イエロー・ピンク・グリーン 4チームが担当
実験実施: 2019年6月、 実験担当: チームグリーン
とある若手社員から質問がありました
「投込みヒーターとラバーヒーターはどちらが早く水を温められますか?」
投込みヒーターは発熱量が100%水に伝わるのに対して、ラバーヒーターは半分くらいしか水に伝わっていないと言う、経験上から投込みヒーターと答えたいところですが。。。
百聞は一見に如かず!って事で実験してみました。
ちなみに。。。皆さんは「百聞は一見に如かず」の続きがあるのをご存じですか?「百見は一考に如かず」「百考は一行に如かず」「百行は一果に如かず」と続いてきます。さて本題に戻ります。
○ 使用した物
- ペール缶(18リットル) ×2個
- 投込みヒーター(ペール用ヒーターBCP1110 100V 1kW)
- ラバーヒーター(ペール缶用ラバーヒーターSBH0730 単相200V 700W)
- データロガー
- 熱電対
- 電圧調整器
○ 実験の方法

写真1 実験の様子
- ペール缶にそれぞれ(15リットル)の水を入れ、ペール缶AにはBCP1110を入れる。一方のペール缶Bには、SBH0730を巻き付ける。何れも蓋を外した状態とする。
- BCP1110、SBH0730共に温度設定は80℃とする。
- BCP1110は、定格容量が1kWなので、ヒーター容量が700Wになる様に印加電圧を電圧調整器で調節する。
- 一斉に通電を開始し、その時の水温をデータロガーにて記録して、比較する。
○ 結果
- 通電開始後の立ち上がりは同じ昇温スピードで推移したが、通電時間50分あたりを超えたところから昇温カーブに差が出てきた。
- 当初の予想通り、投込みヒーターの方が缶用ラバーヒーターよりも早く昇温させることができた。
- 水温の最終到達温度に約10℃の差が出た。これは、温調点の違いによる影響があると思われる。投込みヒーターは、ヒーター近傍の水温、缶用ラバーヒーターは、ラバーヒーター表面で温調を行っている。
質問の答え
- 「投込みヒーターの方が早い!」
- 投込みヒーターを使える条件であれば、加熱には投込みヒーターが有利と言う結果でした。
- ここで、またまた若手社員から「蓋するとどうなりますか?」と質問されたので。。。
- やってみました。
- ついでに断熱材も巻いてみました。
- 断熱材は、ペール缶/一斗缶用保温ジャケット(型番:NGJ0011)を使用しました。