実験の結果以下のようになりました。 |
設定温度 |
表面K熱電対(℃) |
SUS316L-クロメル熱電対(mV) |
雰囲気温度(℃) |
50℃ |
49.1 |
0.436 |
25.2 |
100℃ |
95.5 |
1.313 |
25.3 |
150℃ |
141.4 |
2.225 |
25.1 |
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ここで、クロメル-316L熱電対より得られた熱起電力を温度に換算します。温度換算には、以下の第21回の試験結果を用います。 |
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K熱電対で測定した雰囲気温度を上の起電力グラフにより熱起電力に変換すると
25.2℃ → 0.461[mV]
となります。したがって、50℃温調時のSUS316L-クロメル熱電対により測定した点の温度は、室温補正後の熱起電力
0.436 + 0.461 = 0.897[mV]
と、上のグラフより、47.6[℃]となります。同様に、100℃、150℃も計算すると以下のようになりました。 |
設定
温度 |
表面K熱電対
(℃) |
SUS316L-クロメル
熱電対(mV) |
雰囲気温度
変換後(mV) |
補正後
熱起電力(mV) |
SUS316L-クロメル
熱電対測定温度(℃) |
50℃ |
48.8 |
0.436 |
0.461 |
0.897 |
47.6 |
100℃ |
95.4 |
1.313 |
0.463 |
1.776 |
87.6 |
150℃ |
141.4 |
2.225 |
0.459 |
2.684 |
125 |
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この結果、ホットプレート温度が50℃の時はほぼ同じ温度となりましたが、100℃、150℃の時は、大きなずれがありました。これは、前回の試験で得られた熱起電力グラフがさほど正確ではなかったためと考えられます。
しかしながら、あらかじめ起電力の分かっている金属の表面温度を測定する場合には、その金属との間に電位差を生じる熱電対の素線を接触させることで、瞬間的に熱起電力が測定でき、その値から温度を求められることが分かりました。
この方法を使えば、SUS316L製のヒーターで表面への熱電対の設置が難しいような箇所でも、1組のSUS316L-クロメル熱電対を使えば、好きな点の温度を簡単に測定することができます。 |
以上 |