熱の実験室-新館
第32回 自作熱電対の応用
5ブロックの実験メンバーが交代で担当します
実験実施: 2014年4月、 実験担当: 第3ブロック
1. はじめに
第21回の実験より、ステンレス(SUS316L)とクロメル線の組合せで熱電対が作れることが分かりました。この結果を応用して、ステンレス(SUS316L)の表面温度を簡単に測定してみたいと思います。 |
一般的に熱電対で表面温度を測定する場合、対象物に貼付けたり溶接したりして1点に取付けます。しかし、今回使用する熱電対は測定対象物と同じ材料を使用していることから、通常の熱電対のように先端をあらかじめ接合しておかなくても、任意の点で接触させることにより温度測定が可能となります。 |
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そこで、今回は次のように実験を行うことにします。 |
2. 実験内容
SUS316L板の表面温度を、K熱電対とSUS316L-クロメル熱電対で測定する。 |
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SUS316L棒とクロメル線はそのままではデーターロガーに接続できないので、銅線と接続します。
クロメル線を接触させることにより測定される熱起電力は、接触点と銅圧着端子で接続されている箇所の温度差によるものなので、実際の表面温度を求めるには、銅圧着端子との接続点の熱起電力を足してやる必要があります。そこで、銅圧着端子付近の雰囲気温度も測定しておきます。 |
手順
- ホットプレートの温度を50℃、100℃、150℃に設定し、各温度にて上に乗せたSUS316L板の表面温度を、K熱電対で測定します。
- SUS316L板表面のK熱電対で測定している間近にクロメル線を押し当て、熱起電力を測定します。(下の写真のようにクロメル線をSUS316L板に押し当てます。)
- 雰囲気温度を、SUS316L-クロメル熱電対の熱起電力特性より熱起電力に換算します。
- 2と3の熱起電力を足して、SUS316L-クロメル熱電対の熱起電力特性より温度を求めます。
- SUS316L板表面のK熱電対の温度と比較します。
使用するもの
- SUS316L板(□50mm)
- クロメル線(φ0.65)
- SUS316L棒(φ1.0)
- Kタイプ熱電対(φ0.2、2本)
- 銅線
- 銅圧着端子
- データーロガー(サンプリング周期:100ms)
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