3.1-3.4の実験結果より、オートチューニングで求めたパラメーターを用いたPID制御より、短い時間で温度を収束させるにはPを小さくし、オーバーシュートを小さくするにはDを大きくすればよい方向性にあることが分かりました。これらの条件を合わせることで、短い時間で安定した温度制御が実現できるのではないかと考え、条件9としてPを小さくし、Dを大きくした場合で実験を行いました。
図6に条件2、条件3、条件8、条件9による200℃までの温度の推移をまとめました。 |
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P [%] |
I [s] |
D [s] |
条件2 |
3.4 |
228 |
57 |
条件3 |
1 |
228 |
57 |
条件8 |
3.4 |
228 |
120 |
条件9 |
1 |
228 |
120 |
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図6 Pの値を小さくし、Dの値を大きく変更した場合の比較 |
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Pの値を小さくし、Dの値を大きく変更した条件9ではオーバーシュートはせず、温度が収束するまで約850秒かかりました。条件2と比べ、オーバーシュートは小さくなり、温度が安定するまでの時間も若干短くなりました。
以上の結果より、人の手による修正によりオートチューニングにより求めたパラメーターを用いたPID制御よりも、より短い時間で安定した温度制御を実現することができました。
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