LABORATORY熱の実験室

 3. 実験結果

 表1に、実験の経過状況をまとめた。
 渋柿は、実験1日目の乾燥後には見た目にほとんど変化が見られなかったが、実験の経過とともに、徐々に表面が乾燥し、小さくなっていった。
 玉ねぎは、実験1日目から、乾燥が始まっていた。
 
表1

実験開始前

実験1日目
乾燥時間:7時間30分

実験2日目
乾燥時間:9時間

実験3日目
乾燥時間:8時間10分

実験4日目
乾燥時間:8時間50分

実験5日目
乾燥時間:8時間40分
 
 実験終了後、渋柿と玉ねぎの状態を観察した(写真4、5)。渋柿の表面は乾燥しているが、乾燥した部分をはがすと、まだ水分を含んでいる状態で、内部まで完全に乾燥しておらず、触れれば粘着性ある状態であった。玉ねぎに関しては、ほとんど乾燥していたが、厚めにスライしたものは内部まで完全に乾燥していなかった。
 最後に実際に乾燥した渋柿と玉ねぎを試食してみた。乾燥後の渋柿は、甘くなりおいしいと感じることができた。また、内部まで完全に乾燥していない状態なので、一般的な干し柿とは違った食感であった。玉ねぎは、実験の途中でも試食をしたが、玉ねぎの特有の辛みは残るものの、乾燥が進むにつれて甘さが増していった。

写真4 実験終了後の渋柿

写真5 実験終了後の玉ねぎ

 4. まとめ

 今回行った実験で、熱風で乾燥させることで、渋柿が甘くなることが確認できました。今後は、一般的な方法で作製した干し柿との違い(見た目、糖度など)を確認するため、実際に天日で乾燥させた干し柿を作製して、熱風で乾燥させた干し柿との比較を行いたいと思います。また、今回の実験は、熱風発生機の電源を朝入れてから夕方まで乾燥させて、夜間は電源を切っていたため、断続的な乾燥となってしまったので、熱風発生機を24時間稼働させて、常時乾燥させることで、実際にどの程度の乾燥で干し柿ができるのかも併せて検証したいと思います。

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