元祖 [熱の実験室] 第39回 - Raspberry Piで2点測定の温度制御

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。

第39回(2021年4月)の実験
 ヒーターで加熱処理するとき、処理する物体の温度を制御する必要がありますが、物体の温度からヒーターの出力を調節しても、ヒーターの出力変化から物体の温度変化が遅れることなどで、うまく制御できません。
 物体とヒーター、両方の温度により制御すれば改善できるはずですが、一般の温度調節器の使用では困難です。
 Raspberry Pi を使用すれば、2点の温度測定値から、プログラムでどのようにもヒーターの出力を調節できるので、試してみました。

 ● 使用する機器

  • コンピューター: Raspberry Pi Zero W
  • 温度制御基板: Kタイプ熱電対入力 × 2、負荷(ヒーター)駆動は、SSR(DC5V)
  • シリコンラバーヒーター:□100mm 60W
  • アルミ板:150mm × 200mm × 厚さ1mm

温度制御基板
Raspberry Pi Zero W
シリコンラバーヒーター
+ アルミ板 ヒーター側

シリコンラバーヒーター
+ アルミ板 熱電対側
 Raspberry Pi Zero W に、熱電対の入力により温度測定・コントロールするための基板を接続したものは、「第35回 - Google Drive を利用した、遠隔地温度管理」で使用したものと同じです。Apache(Webサーバー)を載せてあり、パソコンやスマートフォンから Wi-Fi 経由で操作できるようにしてあります。
 シリコンラバーヒーターは、アルミ板の下端に両面テープで貼りました。反対面は、ヒーター中心とアルミ板の上端から15mmの位置の2か所に、熱電対(温度センサー)をアルミ粘着テープで固定しています。下側の熱電対(tc1)はヒーター温度測定、上側の熱電対(tc2)は、ヒーターで加熱される物体を想定した温度測定用です。

 ● 実験方法

 実際に加熱処理するときは、その条件がいろいろと変化するのが一般的です。その影響を見るため、まずヒーターを下にして吊った状態で制御・測定し、途中で逆さ(ヒーターが上)にします。ヒーターの熱による自然対流で、tc2がヒーターの上にあるときの方が、下にあるときより高い温度になるはずです。これを条件の変化としました。
 温度制御方式は、わかりやすくするためにON/OFF制御としました。温度上昇し、設定温度に達したらOFF、設定温度より1℃低下したらONになります。
 2つの熱電対の測定値により、加熱される物体を想定したtc2の測定値を、60℃にできるだけ安定させるようにプログラムして、制御・測定で確認します。

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