LABORATORY熱の実験室

 

元祖 [熱の実験室] 第22回 - 氷の中心から加熱するとどうなる?

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。  

  第22回(2006年10月)の実験

 ヒーターを水に入れたまま凍らせて、そのヒーターをいきなり通電したらどうなるでしょう? 

 ヒーターは水用で、空気中で通電すると、赤熱して900℃位になる高ワットです。硬い氷が破裂などしたら、かなり危険そうです。でも、面白そうなのでやってみます。

 ● 実験の準備

 ヒーターは、新館の「遠赤外線ヒーターで氷を溶かしてしてみよう」で使用したヒーターを発見したので、これを使うことにしました。形状と容量は、水用投込みヒーター AWA1510と同じで、100V 1kWです。遠赤外線ヒーター・ハイレックスと同じ、ハイニッケル鋼を使用しているので、空焼きにも強いヒーターです。
  • 温度測定用の熱電対は、ヒーターのシースには付けず、2mm程離して、ヒーター周辺の温度を測定する。
  • ヒーターの発熱部(円い部分)が、水を入れた樹脂バケツの中心になるように固定。

 ● 凍らせる

 冷凍庫の中で、凍らせます。
3時間後
20時間後
44時間後
 水面から凍り始めました。  氷が増えてはいますが、このペースでは、何日もかかりそうです。そこで、ファンが付いた恒温槽に移すことにしました。  次の日、取付けた熱電対の温度指示も-20℃に下がり、完全に凍っていることが確認されました。
 水は凍ると体積が増えるので、樹脂バケツはパンパンに膨らんでいて、底も膨らんでいるので、台がないと立ちません。

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