● ラベルをはがして測定
ラベルをはがすと、アルミボトルはいかにも熱伝導が良さそうです。
温度は、このようになりました。あきらかに、アルミボトルよりペットボトルの温度が高くなっていて、下で0.6℃、上で0.9℃程度の差が出ています。予想と反対の結果です。
なお、10分経過くらいのところで、グラフが変な動きをしていますが、これは、水の性質として、約4℃で密度が最大になるためです。温度が4℃になるまでは、温度が高いほど密度が高く、温まった水は下に動きますが、温度上昇で逆に上に動くように変わるため、4℃付近でグラフの線がクロスしています。 ● ペットボトルの方が温まるのは? ペットボトルとアルミボトルの構造を比較すると
この値から、水の温度:10℃、気温:25℃、容器から外気への熱伝達率:7W/m2K として受熱量を計算すると、ペットボトル:103.97W/m2、アルミボトル:105.00W/m2 で、ほとんど違いがありません。
放射熱の影響 約25℃の室内で放射される赤外線としても、冷たいボトルは熱を受けます。アルミボトルの表面は、金属そのものではありませんが、ペットボトルよりは放射率が低く、受ける熱量は小さいと思われます。 容器の形状 単純な円形断面のアルミボトルと比べ、角張っていて、補強の凹みがたくさんあるペットボトルは、体積あたりの表面積が大きくなっています。現品から簡単に測定すると、8%ほど大きいようです。 ボトルの材質と厚さからは、アルミボトルが約1%温まりやすいことになりますが、容器の形状からは、約8%温まりにくいことになります。放射熱の影響は除いたトータルで、7%温まりにくいことになり、これは実験結果とほぼ一致しています。 ラベルによる断熱効果は、表面の凹みをおおって表面積を小さくし、空気層も作ることで、ペットボトルの方に大きく現れていたようです。 ● まとめ 今回の実験の結果をまとめると
これは、冷蔵庫に入れたときの冷え方にも、違いがないことを示しています。ペットボトルの方が圧倒的に多く売られていますが、アルミボトルが増えると、捨てるのが楽になって良いですね。
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