2.2.3 予熱運転後に送風をした際の昇温特性

 次に本題である特殊ホットエアビームに送風をしないで予熱運転した後に送風をした際の昇温特性について調べました。

    2.2.3.1 実験手順

1. 吐出しエアー温度測定用熱電対を、エアー吐出し口から5mm離れた位置に設置する。
2. 温度コントローラーと特殊ホットエアビームを配線する。
 カートリッジヒーター内部温度制限用熱電対 → ヒーター温度制御用熱電対入力に接続
 筐体内部エアー温度制御用熱電対 → ワーク温度制御用熱電対入力に接続
3. 温度調節器に温度設定を行う。
 ヒーター温度設定用温度調節器(カートリッジヒーター内部温度):600℃
 ワーク温度設定用温度調節器(筐体内部エアー温度):500℃
4. ヒーターに通電を行う。
5. カートリッジヒーター内部温度が600℃に到達してから20分経過後、圧縮エアーを特殊ホットエアビームに供給する。
 エアー圧力:0.1MPa

    2.2.3.2 結果

 特殊ホットエアビームに、送風をしないで予熱運転した後に送風をした際の、昇温特性図7にまとめました。経過時間は送風を始めた時間を0秒としています。筐体内部エアー温度は、約6秒経過後に目標温度である500℃を超え、約525℃までオーバーシュートし、約120秒経過後、500℃で温度が安定しました。吐出しエアー温度は約2秒経過後に450℃を超え、約480℃まで昇温し、約100秒経過後、約450℃で温度が安定しました。

図7 予熱運転後に送風をした際の昇温特性

 3. まとめ

  2.1 実験器具

 カートリッジヒーター内部温度に温度制限を掛けることができる、特殊ホットエアビームを用いると、送風なしで予熱運転をした状態から約2秒と、ごくわずかな時間で熱風を発生させることができました。送風開始時に温度安定時より高温の熱風が発生してしまうという、温度安定性について課題は残っているものの、使いたいときにすぐに熱風を使用することができます。また、ヒーターの予熱が完了するまで、送風を止めておくことができるので、熱を無駄に排出しなくて済みます。
 最後に、送風しない状態で待機させておくことができることを利用した、応用的な使用方法を紹介します。
 コンベアなどで流れてくるワークに対して熱処理をしたい場合には、ワークが流れてくるタイミングに合わせて、一定時間エアーを供給、一定時間エアーを停止、一定時間エアーを供給、・・・といった熱風の間欠運転が適しています。図8に熱風を間欠運転させた際の昇温特性をまとめました。エアーを出している間は、約450℃近い高温のエアーを吐き出しました。エアーを止めている間は、吐出しエアー温度が約100℃~200℃の間でふらついていますが、これは熱電対の熱容量が小さいため、エアー吐出し口からわずかに漏れ出るエアーの影響を受けているためです。
 試験条件
  • カートリッジヒーター内部温度:600℃で温度制御
  • エアー圧力:0.1MPa
  • エアー供給時間:30秒
  • エアー停止時間:30秒

図8 エアーを間欠運転した際の昇温特性