LABORATORY熱の実験室

  3.2 LEDライトとモーターを組み合わせた温度センサーの製作
  3.2.1 回路設計

 デジタル温度計と組み合わせて、今度はマイコンの出力側にLEDライトとモーターを接続します。マイコンのデジタル信号出力端子はD1~D13まであり、LEDライトに入力するために1端子、モーターには4端子、自分で任意に選んで接続します。(図4)
※ モーターの電源はマイコンから取る予定でしたが、なぜかそれだとプログラムがうまく動かないことが後でわかったので、今回はもう一本USBケーブルを使って、マイコンとは別にパソコンから取っています。

  3.2.2 プログラム設計

 まずは「温度が30℃以上になると、LEDが光る」というプログラムを設計しました。
 プログラムの中でLEDライトとモーターを接続したマイコンの端子を定義し、LEDライトをOUTPUTとして設定します。次にデジタル温度計で温度表示の設計をしたコードの後に、else if文を使って次のように書き加えます。
 If文(30℃以上の時)→ LEDライトを接続した端子に最大電圧をかける。
 Else文(それ以外の時)→ LEDライトを接続した端子に最低電圧をかける。
このプログラムをマイコンに書き込み、温度センサーが機能するか試してみます。
 条件に従ってLEDライトを光らせることができました。

 次にモーターを動かすプログラムを書き加えました。こちらのコードも液晶表示のプログラムと同様に、一から書くのが大変なので、オープンソースをインターネットで探し、そのコードを参考にして、if文の中にモーターを駆動させるためのコードを書き加えていきます。
 このようにして完成させたプログラムをマイコンに書き込み、モーターが動くかどうか、試してみます。
 条件にしたがってモーターが動きました!これで温度センサーができあがりです。

 以上、マイコンを使ったデジタル温度計&温度センサーを完成させることができました。

 4. まとめ

 電子部品を使った回路設計もプログラミングもほとんど初心者の私でしたが、インターネットで購入した部品とオープンソースを参考にすることで、簡単なものですが電子工作を完成させることができました。苦労した部分もありましたが、その分プログラムが思った通りに動いてくれた時は喜びもひとしおです。
 今回熱の実験室をやるにあたり、ラズパイやArduino製のマイコンについて調べてみると、最近では産業用として改良を加えた製品も開発されはじめているようです。ひと昔前では難しい専門知識を必要としていたIoT製品の開発を自分で実現することも不可能ではない時代になってきていると思いました。
 今後は今回製作したこのデジタル温度計&温度センサーに熱電対を接続したり、遠隔操作ができるようにしたりするなど、改良を加えてみたいと考えています。