LABORATORY熱の実験室

 ● 動作確認

 30mm × 100mm × 1mm のステンレス板の、裏側の端に小型のヒーターを貼り付け、ヒーターのある部分に熱電対1(tc1)、ヒーターがない側に熱電対2(tc2)をアルミ粘着テープで固定しました。
 ヒーターは SSR を経由して電源に接続し、2つの熱電対とSSRのDC5V入力は、Raspberry Pi に接続した温度制御基板に入力しました。
 Google Drive / gdrive (Raspberry Pi の /mnt/gd)に、遠隔温度管理のための2つのファイルを置きます。
  • (1) operation.txt : 1 を記述
  • (2) temp.txt : 30 を記述
 この状態で、Raspberry Pi のファイルを監視するプログラムを起動すると、tc1 の温度測定値により、30℃で温度コントロールされます。
 2つのファイルを書き換えながら、30℃:10分 → 40℃:10分 → OFF:5分 → 35℃:10分 → 25℃:10分 → 30℃:10分 という温度制御をしました。OFFのときは、operation.txt に 0 を記述しています。
 このときの運転状態(設定温度 sv、測定温度 tc1, tc2、負荷の出力比率 duty)が、Google Drive / gdrive の csv ファイルに記録(10秒に1回追記)されるので、遠隔地からインターネット経由で確認できます。このファイルを Excel で外部データとして取得し、次のようにグラフにしておくと、データ更新すると最新の状態が表示されて、見やすいです。
 10:10 ~ 10:15 の、OFFのときは記録していないので、グラフは直線で飛んでいます。
 設定温度 sv に追従して測定温度 tc1 が変化し、正常に温度制御できています。
 記録間隔が10秒ではなく11秒になっているのは、Google Drive の読み書きに時間が掛かったためのようです。プログラム変更で修正可能と思います。

 ● まとめ

 個人や、Web関係の仕事をしていない一般のひとが、インターネットを利用してデータのやり取りを自動で行う場合、一般的にはインターネットに接続したWebサーバーを利用できないので、オンラインストレージを利用してうまくできるか試しておきたい、と以前から思ってはいましたが、なかなか機会が(やる気が?)ありませんでした。Raspberry Pi + rclone でマウントするところが苦労しましたが、やっと確認することができました。
 無料でオンラインのサービスを利用する場合、サービス終了・接続台数制限など機能ダウン・セキュリティ対応などによる仕様変更、などで、油断していると使っていたものが使えなくなる、ということになるので、常に把握して変化に対応していなければなりませんが、うまく利用できれば、遠隔地の温度などを管理するための労力を、大きく省くことができるはずです。

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