LABORATORY熱の実験室

元祖 [熱の実験室] 第31回 - Raspberry Piで低温調理 - 豚肉

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。

第31回(2016年5月)の実験
 前回作成した、Raspberry Piで低温調理するための、スマートフォン用ソフトを使用して、豚肉を調理することにしました。
 牛肉と違い、豚肉を加熱調理する場合は完全に火を通す。中心まで、赤みがない白っぽい色になるまで加熱する、という認識がありました。そうすると、固くて水分も少なく、パサパサして美味しくない、ということになります。けれども、ローストポークなど、赤みがある、やわらかい豚肉も出回っていますし、これで大丈夫なのかな? と思っていましたが、実際は問題ないようです

 ● 豚肉の調達

 豚のブロック肉は、スーパーに普通に売っているものと思っていましたが、それはもっと涼しかった頃の記憶のようで、暑くて肉を煮込むような気候ではないためか、夕方遅い時間だったので売れてしまったのか、実験用には? な特大サイズが一つしか並んでいませんでした。すると、その近くにブロック状の骨付スペアリブがあったので、これでも良いだろうと買ってきました。この「骨付」というのが、後で問題となります。 
  • 国産スペアリブ(骨付バラ肉)
  • 質量: 359g
  • 形態: 3分割のブロック

 ● 調理方法と準備

 厚生労働省の「豚の食肉の基準に関するQ&Aについて」の中に、「豚の食肉の中心部の温度を63℃で30分間以上加熱するか、これと同等以上の殺菌効果がある方法で加熱殺菌しなければならない」という記載があります。75℃1分間以上は、同等以上の方法になります。一般の煮物は、沸騰した湯(100℃)の中なので、63℃はかなり低く感じましたので、少し安全を見て、66℃で加熱することにしました。
 ファスナー付きの食品用ポリ袋に入れ、調味液を入れて、空気を抜いて密封します。普通は、これをお湯の中に入れますが、空気中の雰囲気加熱でやることにしました。
 Paspberry Piの関連以外で使用したものは。
  • 使用していない電気ポット(断熱容器として使用し、電源は接続していない)
  • シリコンラバーヒーター (100V 120W)
  • 豚肉を置く、セトモノ容器
  • 豚肉(骨付バラ肉 359g)
  • 調味液(醤油, 日本酒, みりん, コショウ、量と割合は適当)
  • ファスナー付きポリ袋
 Raspberry PIで計測する温度センサーは、温度コントロール用のth5はポット内の空中に設置、th6は室温測定用、th7は豚肉と容器の間に入れて、品温測定用としました。

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