LABORATORY熱の実験室

 ● アルミ板の温度測定

No. 熱電対 粘着テープ 備考
1 被覆熱電対 フッ素樹脂粘着テープ  
2 被覆熱電対 アルミ粘着テープ  
3 被覆熱電対 アルミ粘着テープ 熱電対先端だけ貼り付け
4 被覆熱電対 アルミ粘着テープ 熱電対先端をよじる
5 シース熱電対 アルミ粘着テープ  

No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
 No.3は、熱電対の先端だけをアルミ粘着テープで貼り付けているので、熱電対の感熱部がアルミ板の温度まで達しないと想定される方法です。
 No.4は、よくある間違った使用例です。熱電対の測温接点は、端子側から見てはじめの接触点になるので、露出している、よじった部分の温度を測定していることになります。

 温度コントロールしたホットプレートの上にアルミ板を置いて、温度が安定した状態を測定しました。
 測定対象物は、熱伝導がよいアルミで、10mmと厚いので、測定箇所全体が、ほぼ同じ温度になっているはずです。そのため、一番高い温度が表示されたNo.2が、実際の表面温度に最も近いと考えられます。
 No.1のフッ素樹脂テープは、温度が上がるほど柔らかくなって、熱電対をアルミ板表面に密着させることができなくなっています。
 No.3は、感熱部から熱電対の素線に熱が流れる影響で温度が下がります。
 No4は、よじった部分の温度になっています。
 No.5は、被覆熱電対よりはるかに太い、φ1.6のシース熱電対ですが、No.1とあまり差がない温度になっています。