LABORATORY熱の実験室

元祖 [熱の実験室] 第20回 - 水の凍結防止 その現象も確認

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。  

  第20回(2005年12月)の実験

 お湯を沸かすときは、下の方から加熱しないと、全体が温まらないのは誰でも知っています。そうしないと、上から手を入れると熱いのに、底の方は冷たい、という状態になります。寒い時期には、水が凍らないように加熱することも多いのですが、その場合はどうなっているのでしょうか? 実際に凍結する水の温度を、測定してみました。

 ● 実験の方法

 No.5は気温
 10リットル入りの樹脂製バケツの内側に4ヵ所(No.1~No.4)、気温測定用に1ヵ所(No.5)、熱電対を設置しました。このバケツに水を入れて、温度変化を測定しました。
 熱電対は、パソコンに直接データを取り込むタイプのデータロガーに接続して、温度を記録しています。

 ● まず、お湯の場合は?

 バケツの上の方に、300Wのヒーターを設置して、加熱しました。

[グラフ-1]
 一番上のNo.1だけは、どんどん温度が上がっていますが、下の方は温度が上がっていません。No.3とNo.4は、気温より低い、はじめの状態から、1℃程度しか上がっていません。
 水は、温度が上がると膨張し、同じ質量での体積が大きくなります(密度が小さくなる)。そのため、上にある熱いお湯はずっと上にあり、対流しないので、このような状態になります。