LABORATORY熱の実験室

 

 ● 球体を膨らませる

 完成した球体を膨らませてみました。
 まずは、球体が床に寝そべっている状態で、横方向からファンで冷風を入れて、空間を作ります。この状態では、いくらファンを回し続けても、当然ですが250gの球体は起き上がりません。
 次に、ファンの風にホットエアーガンの熱風を混ぜて、温度を上げていきます。このとき、まだ膨らんでいない球体の熱風入り口付近のポリエチレンシートに、直接熱風がかかってしまいますので、温度を上げすぎないように慎重にやります。それでも、穴はあかないまでも、すこし融かしてしまいました。
 球体がある程度膨らんで、熱風入り口に余裕ができてきたら、熱風だけにします。加熱を続けると、だんだん球体が立ってきて、完全に浮かび上がりました。
 撮影するために、加熱を止めて数十秒経っているので、墜落しかけています。まあ、どうにか浮いたものの、加熱をやめるとすぐに落ちてくる状態だということです。
 熱風がかかって、多少融かしてしまった部分です。縮んでシワになりました。
 加熱をやめて、縮みかかった球体は、海から上がった巨大クラゲ状態です。
 無風の室内なので、少し融ける程度でしたが、屋外でやるには、安全に作業できるヒーターが必要になりそうです。ポリエチレンが融けない温度の温風を出すヒーターと、本加熱のためのヒーターは必要だと思います。
 ガスバーナーで加熱する熱気球では、炎を噴射しますが、噴射力で上がるわけではなくて、熱くて軽くなった空気で上がるのですから、電気ヒーターの場合には、球体内部で加熱できれば、余分な熱風流出によるロスがなくて良いはずです。また、球体の方も、熱風入り口付近だけは、耐熱性の材料にする必要があるようです。
 室内では大きく見えますが、屋外では小さく見えてしまうんじゃないかと思います。これからヒーターを製作して、球体も改良して、何とか上がるようにしたいと思います。