LABORATORY熱の実験室

 

 ● No.1 大町アルペンライン

 雨の中、黒部の方向に向かって走りますが、まだ標高も低いうちに、冬季間通行止めの柵が現れてしまいました。雪の壁は一応ありますが、柵の少し手前で0.5mを下回っています。

 雪温は、2℃程度です。一度1.8℃ほどで安定しましたが、測定場所を変えようと熱電対を抜いて、別の場所に挿すと、その直後だけ低い温度を示しますが、すぐに上がってしまいます。どうやら、挿すときの力で強制的に雪を溶かすときに、熱を奪って局部的に温度低下するようです。

 ● No.2 葛温泉の下

 もう少し高いところまで行かないことには、壁の高さは期待できません。大町アルペンラインの南側の、高瀬川を遡り七倉ダムまで行くことができる道路を上ってみます。しかしこの道路も葛温泉を過ぎると、冬季間通行止めのチェーンが待っていました。一番壁が高かった、葛温泉の下で測定することにします。雪の壁は、1mは超えています。

 雪が硬くて、場所により熱電対が中まで入りません。ここでは、挿した後にだんだん温度が上がり、3℃くらいです。No.1と同様に、別の場所に挿すと、その直後は温度が下がりますが、また上がってしまいます。はじめに2℃以下まで一時的に下がったのは、硬い雪に力を入れて熱電対を挿したので、そのために雪が融けて、温度が下がったようです。