● 加熱する

 マイナス20℃の、カチカチに凍った氷の中心の1kWのヒーターを、いきなり通電するのは怖い気持ちもありましたが、思い切って電源をONにしました。
2分後、熱電対:10℃
 温度から、ヒーター付近は融けているはずですが、変化は見られません。
10分後、熱電対:9℃
 薄っすらと、ヒーターが透けて見えるようになりました。
13分後、熱電対:11℃
 完全に、ヒーターが見えるようになりました。
15分後、熱電対:11℃
 ヒーターより下は氷、ヒーターから上が水、更にその上が氷、という3層構造になっています。
24分後、熱電対:23℃
 底に水が溜まったので、4層構造になりました。
30分後、熱電対:2℃
 一番上の氷が融けてきて、ヒーターを固定できなくなったので、下の氷が浮かぶ力に押されて、ヒーターは上の氷のところまで上がりました。
32分後、熱電対:5℃
 ヒーターが上の氷を融かして、更に上がっています。
34分後、熱電対:520℃
 氷の中で、ヒーターの周りに水蒸気の部分ができ、ヒーターが赤熱しています。
36分後、熱電対120℃
 氷に穴があき、ヒーターは完全に外に出ました。
37分後、熱電対:200℃
 ヒーターが完全に持ち上がり、危険な状態になったので、ここで実験を終了しました。
 熱電対で測定した、ヒーター周辺の温度は、次のようになりました。16分経過くらいまでの、温度が低い間は、ヒーターが下の氷の上に載った状態です。その後、ヒーターが氷から離れて上がり、温度が上がりますが、30分経過くらいで、上の氷に当たって、再度温度が下がっています。500℃以上に上がっているのは、氷の中で、ヒーターの周りに水蒸気の部分ができたときです。

 ● まとめ

 危険な実験を期待していたのですが、拍子抜けする静かな実験でした。
  • 0℃の水の密度:1.000g/cm3、0℃の氷の密度:0.917g/cm3
  • 氷の熱伝導率:2.2W/mK
 水には、固体(氷)の方が液体(水)より密度が小さいという、特殊な性質があります。そのため、氷の中心で加熱して融けると、体積が減少して負圧になるはずです。これが、金属などだと、内部が高い圧力になって、危険な状態になります。 また、氷は金属以外の固体としては、熱伝導率が大きいことも関係あるのか、内部が高温になることもありませんでした。
 「氷の中心から加熱するとどうなる?」という疑問に対して、「どうという程のこともない」という答えは得ることができました。

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