● 実験結果について

 「焼け石に水」より「焼け石にお湯」の方が冷やす効果が高い、というはじめに書いた理論とは全く違う結果になりました。
 2回目の、ガラスロートを下げて、ステンレスパイプの先端とアルミ鋳込みの距離を約10mmにした実験の結果を表にまとめると、次のようになります。
  A: 中央部の
最低温度
B: 注水後の
最高温度
C: 温度低下
(400-B)
奪った熱量
115.7℃ 275.3℃ 124.7℃ 399kJ
お湯 326.4℃ 367.3℃ 32.7℃ 104kJ
 水の場合、奪った熱量は399kJですが、18℃の水1リットルが100℃になるのに必要な熱量が344kJですから、残りの55kJは水が水蒸気になることによる冷却になります。これは24gの水が水蒸気になったことになります。
 お湯では、奪った熱量が104kJです。測定した湯温が約90℃でしたので、100℃になるのに必要な熱量は42kJです。残りの62kJは、27gの水が水蒸気になった計算です。
 水が水蒸気になることによる冷却の効果は、お湯も水もほとんど違わないことになります。

 ● 「焼け石にお湯」はなぜ効果がなかったか?

 実験中の様子から、冷却時の状態は、下の図のようになっていると思われます。

 お湯の場合、均一な薄い膜になって高速で流れています。アルミ鋳込み表面に安定した水蒸気の膜が形成されてしまい、液体のお湯は、直接アルミ鋳込み表面に触れることができなくなっていると考えられます。
 水の場合、100℃まで昇温してからでないと水蒸気にならないので、お湯より不安定で、水を注ぐ位置では水たまりになるし、そこから玉状になって飛んでいきます。この水のボリュームが大きい位置では、その重さと低温で水蒸気の膜は不安定になっていて、温度が下がってくると、液体の水が直接触れたりしていると考えられます。

 「焼け石にお湯」を信じて実験しましたが、残念な結果でした。世の中には、一見本当のようなウソ理論もいろいろあると思います。お互い、だまされないように注意しましょう。といっても、ウソか本当かわからないので、実験してみるのが一番です。何十年後こうなる、というような地球環境などについての(ウソ)理論は、実験もできないので、まじめに見抜くしかないと思いますが。