■ 熱電対について: シース熱電対

シース熱電対の構造

 金属シースの中に、熱電対素線を高純度の無機絶縁粉末と共に高密度に圧入封入してありますので、優れた可撓性をもち応答速度は速く、微小な温度変化にも敏感に反応します。封入される素線は1対式と2対式があります。
 素線がシースから完全に絶縁されている非接地形と絶縁されていない接地形があります。当社規格品は非接地形です。

シース材質の種類と特長

記号 材質 特長
A
(オーステナイト系ステンレス鋼)
SUS316 18Cr-12Ni-2Mo鋼でMoの添加により耐酸性に優れ、化学工業用として広く用いられており、孔食、隙間腐食に強い。
SUS310S 25Cr-20Ni鋼で、耐熱用として広く用いられており、浸炭、窒化にも強い。
B
(耐食耐熱超合金)
NCF600 14Cr-72Ni鋼で、耐食性を有した耐熱鋼として各種加熱部品や石油化学関係に広く用いられており、応力腐食割れに強い。

シース材質および外径による常用限度(℃)

記号 シース材質 シース外径 [mm]
0.25 0.5 1.0/1.6/2.0 2.3 3.0/3.2 4.5/4.8 6.0/6.4 8.0 10.0/12.0
SK SUS316
SUS310S
500 600 650 700 750 800 900
NCF600 500 600 650 700 750 900 1000 1050
SJ SUS316 400 450 500 650 750
ST SUS316 200 300 350
SE SUS316 500 600 650 700 750 800
NCF600 900
SN SUS316 600 650 700 750 800 900
NCF600 900 1000 1050
 ※ JIS規格外
 常用限度とは、空気中において連続使用できる温度の限度をいう。

シース熱電対を使う時の注意など