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Question [疑問点]

 ヒーターを通電すると、常温(室温)の時より絶縁抵抗値が低下する

Answer [回答]

 シースタイプのヒーターは、充電部(電気が流れる発熱線やターミナル)と非充電部(金属シース)の間を、マグネシアで絶縁しています。マグネシアは、95~99%が MgO の無機絶縁物で、他のセラミックス系の絶縁物同様に、温度が上がると電気が流れやすくなります。
 金属の場合は、わずかな起電力で動く自由電子があるために電気が流れやすく、温度が上昇すると結晶格子が熱エネルギーのために振動し、電子が格子内を通過するときに干渉を受けるので、電気は流れにくくなります。
 これに対し、マグネシアのような絶縁物では、電子は固定された軌道を移動するだけで、この軌道から飛び出すためには、大きなエネルギーが必要ですので、電気がほとんど流れません。ところが、エネルギーは熱エネルギーの形で供給することができますので、温度が上昇すると、電子が比較的小さな起電力でも移動することができるようになります。十分高温になれば、絶縁物に電気伝導に必要なエネルギーが供給され、低温のときの絶縁抵抗に関係なく、良好な電気伝導体になります。
 以上のような、絶縁物の特性として絶縁抵抗値が低下する以外に、水分によりマグネシアの一部が水酸化マグネシウムになっていると、温度上昇で絶縁抵抗値が低下します。この現象については、こちら をご覧ください