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Question [疑問点]

 ウルトラファイブの絶縁が低下した

Answer [回答]

 金型に挿入して使用するウルトラファイブ(カートリッジヒーター)には、先端部、端末部(リード線側)ともに、発熱しない部分をできるだけ小さくしたいという要求があります。限られた大きさのところに、ヒーターを入れるスペースを確保するには、できるだけコンパクトなヒーターにしたいし、全体が発熱した方が金型の温度バランスも良くなります。また、金型から出っ張っていては、じゃまになります。
 そのため、ウルトラファイブには、シール性能を得られるような、端末部分がありません。この構造には、上の使用上の問題の他、次のような長所と短所があります。
長所
  • 寿命が長い。発熱線は酸化雰囲気の方が高温で使用できますので、内部に空気が入る構造の方が優位です。
  • 使用中の絶縁が良い。発熱線の酸化皮膜が安定しているので、絶縁物(マグネシア)中に金属成分が拡散して絶縁低下しません。マグネシアも、酸化雰囲気中の方が、絶縁性能が高くなります。
短所
  • 通電していない時には、マグネシアが吸湿して、絶縁低下する。
 金型用としてはメリットの方が大きく、このような構造になっています。
 樹脂成形などの金型は、連続使用することが多いと思いますが、使用停止した場合、次の通電では絶縁低下していることがあります。制御回路で、通電初期のヒーターへの供給電力を小さくしているものもありますが、長時間停止後の通電では、同じような方法で、絶縁回復の操作をしていただくように、お願いします。

  なお、ヒーター表面温度400℃以下の使用条件の場合は、ニューウルトラファイブ(高絶縁タイプカートリッジヒーター)を使用することで、絶縁低下を防止できます。