■ ヒーターについて: シース材質の種類

 使用される雰囲気と、温度などに耐えられるように、色々な材質が使用されています。ヒーター発熱部の金属には負荷が大きいので、例えば、SUS304の容器が十分に耐えている液体でも、ヒーターはもっと耐食性能が高い金属でないと、使用できない場合が多くあります。

液体加熱用のヒーター

材質 特長・用途
 水加熱用として、広く使用されている。ニッケルメッキする場合が多い
 銅より低コストで、腐食性が小さい油加熱用として、広く使用されている。ニッケルメッキする場合が多い
SUS316L  ハイニッケルのオーステナイト系ステンレスで、モリブデンが添加されている。耐孔食性能が高い。ステンレス容器での水加熱、弱い酸やアルカリ水の加熱に使用される。
NCF800  ハイニッケルの耐食耐熱超合金。耐応力腐食割れ性能が高い。塩素分が多い水など、応力腐食割れが問題になるときに使用。
チタン  工業用純チタンで、非常に耐食性能高いが高価。
塩水、酸液、汚水などに使用。
フッ素樹脂  ステンレスにコーティングする。金属では対応できない、強酸などの薬品に耐える。金属イオンが出ないので、純水にも適している。

空焼き(気体・固体加熱)ヒーター

材質 特長・用途
 大気中 400℃以下で、耐食性能が要求されない場合。
SUS304  最も一般的なオーステナイト系ステンレス。
 金型に挿入して使用する、カートリッジヒーターに広く使用されている。
SUS321  SUS304にチタンが添加されたもので、耐酸化性能が高い。大気中では700℃程度まで使用することができる。
 空焼用では最も一般的。
NCF800  ハイニッケルの耐食耐熱超合金。大気中では900℃程度まで使用することができる。SUS321では耐えられない高温での使用、腐食性雰囲気で加熱する場合に使用。ハイレックスヒーター(遠赤外線ヒーター)は、これにコーティングされている。
NCF600  ニッケルを70%含む、耐食耐熱超合金。耐食性能高いが、高価。特に腐食性が高い雰囲気で加熱する場合に使用。
SUS316  SUS304より耐食性能に優れたオーステナイト系ステンレス。色々な用途で使用される、サイカン®ヒーターに使用。
アルミ  アルミ製のブロックなどに、カシメて取付け、加熱する場合に使用。