LABORATORY熱の実験室

熱の実験室-新館
第42回 マイコンを使ってデジタル温度計&温度センサーを作ってみよう
5ブロックの実験メンバーが交代で担当します
実験実施: 2017年8月、 実験担当: 第5ブロック

 1. はじめに

 マイコンとはマイクロコンピューターの略であり、その機能を簡単に説明すると、外部の電気信号を入力として受け、その信号をプログラムで処理し、その結果を外部に電気信号として出力する電子部品です。最近ではインターネット販売があるため、様々な電子部品を手軽に入手できるようになりました。また、マイコンを動かすためのプログラムコードがオープンソースで簡単に入手できるということもあり、プログラミングの知識があまりない人でもマイコンと他の電子部品を組み合わせて、安価に自作の電子工作を楽しむことができるようになりました。
 元祖[熱の実験室]ではラズパイを使って様々な実験を行っていますが、私はプログラミングも電子回路の設計もほとんど経験がないので、まずは初心者でも簡単に始められるマイコンを使って何か電子工作をしてみようと考えました。そこで今回は、マイコンとサーミスタ素子、LEDライト、液晶ディスプレイ、モーターを組み合わせて、デジタル温度計と、ある温度以上になるとLEDライトが光り、かつモーターが動くという温度センサーを作ってみることにしました。

 2. 準備

  • Arduino(マイコンボードと統合開発環境(IDE))
     マイコンは10ビットのA/Dコンバーターを搭載しているものを購入しました(写真1)。電源はUSBケーブルを使ってパソコンから供給します。写真2のように端子のピンをはんだ付けしました。IDEはWebサイトから無料でダウンロードすることができます。(写真3)

写真1

写真2

写真3
  • リニアアクティブサーミスタIC(写真4)
     動作温度が-40℃~125℃、動作電圧範囲が2.3V~5.5VのサーミスタICです。 ピンは向かって左側からそれぞれ電源グランドピン、出力ピン、電源供給入力ピンとなっています。サーミスタは周囲の温度が変わると、それに応じて出力電圧を直線的に変化させる特性をもっており、この素子は0℃で500 mV出力し、そこから1℃上昇するごとに10mVずつ出力電圧が増加する仕様になっています。この特性を利用して、サーミスタで測定している電圧から周囲の温度を測定することができます。
  • 液晶ディスプレイモジュール(写真5、サイズは128×32)
     動作電圧が3.3V~5Vの液晶ディスプレイです。基板の右端にSDA、SCL、電圧入力、電源グランドの端子ピンがついています。
  • ステッピングモーター(写真6)
     今回購入したのは一方向に回転するだけではなく、任意の角度で回転方向を右回りと左回りで交互に繰り返すことができるモーターです。トランジスタアレイが付いた基板がセットになっており、回転速度や回転角度をプログラムによって設定可能です。

写真4

写真5

写真6
  • その他
     ブレッドボード、ジャンパーワイヤー、抵抗、USBケーブル(電源供給用)