結果

表1. ハンディサーモグラフィによる温度分布
 表1にサーモグラフィで撮影したプレートの温度分布の変化を示します。セメントを塗っていないものは、ヒーターとプレートの間に隙間があるため、部分的に熱がうまく伝わっていない様子が分かります。対して、セメントを塗った方は、ヒーターの発熱部のところが均等に明るくなっており、ヒーターとプレートの間に浮きなどがあってもしっかりと熱を伝えていることが分かります。
 時間の経過でみるとプレートの端部まで熱が伝わっていく過程が分かります。10分経過後の温度分布では、セメント有りの方がセメント無しのものよりも、温度の高い赤やオレンジの領域が広く、端の方まで熱が伝わっているように見えます。
 通電開始から20分後、表面温度計でプレートのA~I各点の温度を計測しました(図9)。その結果を図10に示します。

図9 表面温度測定箇所


図10 プレート表面温度
 ヒーターが当たるC、E点やプレートの中央のF点の温度は、他の測定点よりも温度が全体的に高く、セメント有りの温度は、セメント無しと同程度かそれよりも高くなっています。プレートの角部A、G点では、セメントを施工した方の温度が高く、若干ではありますがセメントの効果が認められました。
 ワット密度が4W/cm2以上になると、ヒーターが赤熱するようになり、ハンディ温度計で温度を計測すると、ヒーター表面の温度は500℃を超えていました(表2)。セメントを施工したヒーターの方が、温度が低くなるのは、セメントを介してヒーターとプレートの接触面積が増え、ヒーターからの放熱量が大きくなったためと考えられます。セメント無しのヒーターはプレートとの接触が良くない部分が特に、強く赤熱しています。
表2
ワット密度 セメント無し セメント有り
4W/cm2
ヒーター表面:566℃

ヒーター表面:533℃
5W/cm2
ヒーター表面:676℃

ヒーター表面:676℃

 おわりに

 今回は伝熱セメントの量を少なめにしたため、セメント有無による温度分布の劇的な差は見られませんでしたが、少量の施工でも施工していないものより温度分布が改善し、プレート表面温度も上昇するということが分かりました。また、セメント施工していないものはヒーター露出部が熱伝導できず高温になるのに対し、セメントを施工した場合、ヒーター表面の温度を低くすることができるため、ヒーター長寿命化の効果が期待できそうです。
 次回は、適切なセメント量を塗った仕様やプレートの裏面全体に薄く塗った仕様などで実験をして、セメントの量、塗り方の影響について研究したいと思います。

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