3. 実験結果

  3-1. 蒸留水が水から氷に変化するときの温度変化

 蒸留水を恒温恒湿器に10時間入れた時の温度変化を図4-1に示す。
 赤破線部で示したところが過冷却の状態になっており、温度が約-0.9℃に低下した後で0℃付近まで上昇している様子が見られた。過冷却状態を脱した後の変化は大きく分けて三段階の温度変化をしており、初め約0℃で平衡状態になり(緑破線A)、3時間経過後から緩やかな右肩下がりの温度低下をはじめ(緑破線B)、7時間経過後にはさらに温度低下の傾きが大きくなって恒温恒湿器の温度に近づいていった(緑破線C)。このような温度変化が起こる理由については次の項で説明したい。
 過冷却状態になっていた赤色破線部を拡大してみると図5のようになる。

  3-2. volvic 嬬恋高原の天然水 が水から氷に変化するときの温度変化

 volvic と 嬬恋高原の天然水 を恒温恒湿器に10時間入れたときの温度変化をそれぞれ図6、図7に示す。
 volvic、嬬恋高原の天然水ともに、約-5.5℃まで過冷却状態で温度低下し、その後数秒で0℃付近まで温度上昇した様子が観察された。過冷却状態を脱した後の温度変化をみてみると、嬬恋高原の天然水の温度変化は蒸留水の温度変化と似た傾向を示した。対してvolvicの温度変化は、図6に示したように0℃付近で平衡状態になることなくすぐに温度低下が始まり(橙破線B')、約8時間経過後にはさらに大きな傾きで温度低下を始めた(橙破線C')。
[動画2]
 volvicを過冷却状態ぎりぎりの-5℃に冷却し、家庭用冷蔵庫の冷凍室で冷やしておいた器に注いだときの様子を動画2に示す。動画1と比較すると注いだときにできる氷の量がより多くなっていることがわかる。
 蒸留水、volvic、嬬恋高原の天然水の温度変化を一つのグラフにまとめると、図8のようになる。