LABORATORY熱の実験室

熱の実験室-新館
第25回 ヒータースタンド使用による火災の予防
5ブロックの実験メンバーが交代で担当します
実験実施: 2012年8月、 実験担当: 第3ブロック

 1. はじめに

 投込みヒーターは、容器に立てかけて使用するものが多くあり、弊社の投込みヒーターも引掛け金具を容器のふちに掛けて使用するようになっています。
 普通に容器に液体が十分に入っていて、液体の量が減らないようにしておけば問題ありませんが、万が一液体の量が減った状態で通電を続けると、次のようなことが起こり大変危険です。(無人での使用は禁止です。)
  • ヒーターの表面が水面から露出し空焼きとなる。
  • 水面から露出した部分が高温となり、火災の危険がある。
 さらに、樹脂容器の使用も禁じていますが、これも誤って使用された場合は非常に危険です。
 この2つの禁止事項、『無人での使用はしない』『樹脂容器には使用しない』を無視した場合を再現してみました。

 2. 樹脂容器を使用して放置した場合


 
 上の例で使用したのは温調付バケツ用ヒーターですが、結果バケツを溶かしてしまいました。すなわち、温調付だからといって安全とは言い切れません。
 温調器の感熱部はあくまで水中で温度を感知するもので、水が減った状態では意味がありません。

 この場合、温調器の設定温度を80℃にしていましたが、感熱部は水から出て空気中の温度をとらえていました。水の温度は80℃を超えていましたが、感熱部の周辺の温度は80℃以下であったため温調器が動作せず、結果ヒーターの通電が止まらずにバケツを溶かしてしまいました。
 また、投込みヒーターに付属の引掛け金具は容器(バケツ)に引掛けるだけのものなので、上の図のようにヒーターは斜めになってしまい、水が減ってしまった場合は全体が不安定になり倒れる危険もあります。

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