LABORATORY熱の実験室

 3. 実験結果

  3.1 実験1

 熱風発生機においてユニット吹出し部の温度を変化させた場合について加熱を行います。ただし、保温ジャケット(型番:NGJ0020)、断熱材をドラム缶に装着した状態で行います。
 消費電力値に対する比較として、効率100%(放熱量を0とし、全ての熱量が水の温度を上げるために消費されている状態)の必要消費電力(理論値)の計算を示します。
 
 ● 必要電力量 (効率100%の理論値計算)
 
表3.測定結果
(概要) 60Hz,200℃,
断熱材あり
60Hz,150℃,
断熱材あり
60Hz,125℃,
断熱材あり
初期水温 18.4℃ 25.5℃ 21.5℃
昇温温度Δt(45℃-初期水温) 26.6℃ 19.5℃ 23.5℃
水温45℃到達までの時間 3時間48分
(13679秒)
4時間4分
(14630秒)
6時間10分
(22220秒)
水温45℃到達時の
積算消費電力計指示値
9.0kWh 6.3kWh 8.1kWh
水温45℃到達時最高点 No.3(45.5℃) No.3、No.9(45.4℃) No.6(45.5℃)
水温45℃最終到達点 No.9 No.2 No.5、No.8
45℃到達時の最高点と
45℃最終到達点との温度差
0.5℃ 0.4℃ 0.5℃
水温45℃到達までに必要な消費電力量
(効率100%での理論値)
4.7kWh 3.4kWh 4.1kWh
積算消費電力計指示値における
必要消費電力量(理論値)の効率
52.2% 54.0% 50.6%
 
表4.水温測定全点45℃到達時の各部の温度
測定箇所 各測定点における測定温度[℃]
200℃ 150℃ 125℃
No.1 45.2 45.0 45.0
No.2 45.0 45.0 45.0
No.3 45.5 45.4 45.2
No.4 45.1 45.0 45.0
No.5 45.0 45.0 45.0
No.6 45.2 45.3 45.5
No.7 45.3 45.1 45.1
No.8 45.0 45.2 45.0
No.9 45.3 45.4 45.5
No.10 41.5 45.0 45.1
No.11 195.0 147.3 122.8
No.12 20.1 23.9 26.0
表5.熱風制御温度別による加熱効率、水温の温度差
  制御温度
200℃ 150℃ 125℃
加熱効率 52.2% 54.0% 50.6%
45℃到達時の最高点と
45℃最終到達点との温度差
0.5℃ 0.4℃ 0.5℃
 
 結果より、初期水温の違いはありますが、熱風温度の違いにより加熱時間に差がでました。加熱効率、温度の均一性については表5のようになり、似通った特性となっていました。
 今回の結果では、熱風温度の違いにより加熱時間の差は確認できましたが、加熱効率、温度の均一性について明確な違いは得られませんでした。

  3.2 実験2

 熱風発生機において送風機の周波数を変化させた場合について加熱を行います。ただし、断熱無しの状態で行います。
 予備試験として確認した送風機の周波数変更による風量の値は
60Hz: 1.3m3/min (20℃換算値)
30Hz: 0.7m3/min (20℃換算値)
でした。ただし、風量の値はユニットから熱風発生機へ戻っていく吸入側の風速を計測し、算出しました。
 
表6.測定結果
(概要) 60Hz,200℃,断熱材なし 30Hz,200℃,断熱材なし
初期水温 22.0℃ 21.0℃
昇温温度Δt(45℃-初期水温) 23.0℃ 24.0℃
水温45℃到達までの時間 3時間33分(12780秒) 6時間19分(22740秒)
水温45℃到達時の
積算消費電力計指示値
8.9kWh 11.4kWh
水温45℃到達時最高点 No.3(45.9℃) No.3(45.5℃)
水温45℃最終到達点 No.8 No.8
45℃到達時の最高点と
45℃最終到達点との温度差
0.9℃ 0.5℃
水温45℃到達までに必要な消費電力量
(効率100%での理論値)
4.0kWh 4.2kWh
積算消費電力計指示値における
必要消費電力量(理論値)の効率
44.9% 36.8%
 
表7.水温測定全点45℃到達時の各部の温度
測定箇所 各測定点における測定温度[℃]
60Hz 30Hz
No.1 45.4 45.3
No.2 45.2 45.1
No.3 45.9 45.5
No.4 45.2 45.2
No.5 45.1 45.1
No.6 45.3 45.3
No.7 45.2 45.2
No.8 45.0 45.0
No.9 45.6 45.2
No.10 43.8 43.6
No.11 195.2 195.2
No.12 23.1 23.8
表8.送風機周波数別による加熱時間、加熱効率
  送風機周波数
60Hz 30Hz
加熱時間 3時間33分 6時間19分
加熱効率 44.90% 36.8%
 
 結果より、風量の違いにより加熱時間及び加熱効率については表8のようになり、加熱時間については風量に反比例、加熱効率については約8%の差がでました。
 今回の結果では風量の違いにより、加熱時間及び加熱効率の違いが確認できました。