熱の実験室-新館
第17回 バケツ用ヒーター(投込みヒーター)と火災
新館は、4人の若手メンバーが交代で担当します

 バケツ用ヒーターや投込みヒーターなどの水用ヒーターは、水を入れた容器に突っ込めば簡単にお湯が作れる便利な商品です。

 ガスや灯油の炎と違い、回りに可燃物があっても燃え移る危険性はありませんし、爆発や引火する危険もなく安全ですので、建築現場などの、電気は来ているけれどもお湯が出ない、といった場所で重宝します。

 しかし、使い方を誤ると火事になる可能性もある というのが今回の実験です。

実験実施: 2009年5月

 水用ヒーターは、水を早く温めるためと、コンパクトに作られているため表面容量密度*1が高く作られています。そのため、空焼き*2すると約800℃に上がり、ヒーターは真っ赤になります。


*1:ヒーターの消費電力/発熱部の表面積(この値が高いほど、表面温度が高くなります。)

*2:水用のヒーターを水の外で通電すること。
「空焚き」のほうが一般的な用語ですが、「焚く」とは「火を燃やす」「火を燃やして水を沸かす」の意味ですので、物を燃やさないヒーターの場合は「空焼き」と言います。


 800℃というと、100円ライターの火炎の温度や、火のついたタバコと同じくらいの温度です。試しに木材を投入してみると、入れた瞬間に火がつきました。

 紙や小枝に火をつけてもすぐに燃え尽きてしまいますが、投込みヒーターを空焼きした場合は燃え尽きることなく高温が続くため、空焼きすれば炎よりも危険ともいえます。そのため使用上の注意で空焼きは厳禁としております。(空焼き専用のヒーターがありますがこれは材質や表面容量密度が全く異なります。)

 しかし、注意して空焼きしないようにしても、自然現象や人為的なミスで空焼きしてしまう危険があります。
  1. 電源を切り忘れてその場から離れてしまったので、水が蒸発した。
  2. バケツが転倒して水がこぼれた。
  3. 電源を切り忘れて水から出した。
 このうち2, 3は、人がそばにいればすぐに異常に気が付くので大事には至ることは少ないと思います。説明書に「無人で使用しない」とあるのは、こういった事故を防ぐためです。
 しかし、1の場合は異常が起きても対処する人がいないので、火事に発展する可能性が高くなります。

 ● 実験-バケツヒーターの電源を切り忘れて放置するとどうなるか

 さて、前ふりが長くなりましたが実験を行います。
◎使用したヒーター
 バケツ用ヒーター YLB1110 100V 1kW

◎実験の方法
 火事の危険性を調べるために、フローリングの上で通電することを想定してベニヤ板の上にバケツを置きヒーターをセットします。
 水を水位線付近まで入れて通電を開始し、そのまま放置して様子を見ます。

◎使用したバケツ
(1)金属バケツ
(2)樹脂バケツ
 バケツは2種類使って比較しました。自ら燃える可能性のある樹脂バケツのほうが危険性は高そうですが、実際にはどうなのでしょうか。