● 実験-2

 もう一度、今度は少し条件を変えて実験してみます。
最初はA:80℃ 250ml 、B:80℃ 250mlで、同じです。
ここでBには40℃ 750mlのぬるま湯を加えます。Bはおよそ50℃、1000mlになりました。
 結果です。今度は明らかに差が出ました。大きい所で5℃以上の差があります。Aのビーカーが2時間ほどで冷えてしまっているのに対し、Bの方はゆっくりと6時間ほどかけて冷えている様子が分かります。もっともこれは、大きく差を出すための条件ということで、ぬるま湯を加えてカサ増ししているからでもありますが…。

 熱いものが冷えるとき、その熱は物の表面から周囲へ逃げていきます。つまり、表面積が広いほど冷えやすいのです。逆に、冷えにくくするには表面積を小さくすればいいことになります。同じ体積なら、球形が最も表面積の小さいことはよく知られていますね。丸いものは冷えにくい、これは日頃の経験などからも理解できます。♪ね~こはコタツで丸くなる~♪ もその一つですね。
 今回使ったビーカーについて、中に入れたお湯の体積と表面積の関係を考えてみます。
1回目の実験では、600mlのお湯のおおよその表面積を計算すると約405 cm2、ここに水を加えて900mlにカサ増しした時は、約516cm2です。表面積と体積の比を見てみましょう。
  • 600mlの時…表面積/体積 = 405/600 = 0.67
  • 900mlの時…表面積/体積 = 516/900 = 0.55
 同様に2回目の実験では
  • 250mlの時…表面積/体積 = 275/250 = 1.10
  • 1000mlの時…表面積/体積 = 554/1000 = 0.55
 以上を表にまとめると次のようになります。

  1回目 2回目
体積 600ml 900ml 250ml 1000ml
表面積 405cm2 516cm2 275cm2 554cm2
表面積/体積比 0.67 0.55 1.10 0.55

 1回目の実験で、600ml(80℃)と900ml(60℃)では両者の表面積/体積比にそれほど差はありませんが、2回目の実験では、250ml(80℃)と1000ml(50℃)では表面積/体積比が1.10と0.55で倍くらいの差があります。言いかえれば、表面積/体積比は、水を加えることで半分に下がっています。これが冷めにくくなった大きな理由になっています。

 ● まとめ

 熱いものを冷めにくくするために、わざわざ水やぬるま湯を加えて温度を下げる、という発想は意外ですが、カサを増しながら、しかし表面積の増加を抑えるというのは理にかなっていると言えそうです。保温以外にも何かオモシロイ応用があるかも知れません。
担当: 臼丸

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