LABORATORY熱の実験室

 
熱の実験室-新館
第13回 加水保温法
新館は、4人の若手メンバーが交代で担当します
 唐突ですが、

 熱いお湯をそのまま保温するよりも、水を加えてカサを増した方が冷めにくいことがあるそうなのです。本当なのでしょうか。
実験実施: 2008年4月

 ● 実験-1

(1)
 2個のビーカーに同量のお湯を用意します。量はそれぞれ600mlで、温度は80℃です。
A:80℃ 600ml B:80℃ 600ml
(2)
 一方に水を入れます。水の量は300mlで、温度は20℃です。
A B
(3)
 水を加えた方はよく混ぜ、温度を均一にします。この場合、温度はおよそ60℃になります。
A:80℃ 600ml B:60℃ 900ml

 両方のお湯の冷めていく様子を見てみましょう。
※ 実際は右の写真のように測定しました。温度センサは弊社製シース熱電対を用いています。
 はじめは80℃のお湯のままの方が当然温度が高いのですが、徐々に冷えてくるにつれ、Bの冷え方がAよりも緩やかになってきます。そして、2時間くらいの所でついにAがBを下回りました。最も差の大きい所でも1℃程度とごくわずかですが、この逆転が最後まで続き、両方とも室温まで冷えました。

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