熱の実験室-新館
第5回 遠赤外線ヒーターで氷を溶かしてしてみよう
新館は、4人の若手メンバーが交代で担当します
 一般に物体を加熱する場合、ヒーターを直接被加熱物に接触させたりして熱を伝えますが、遠赤外線ヒーターは、可視光線と同じように電磁波が空気中を直進し、物体に当たると熱に変わります。
 実際に、遠赤コーティングしたヒーターと何も表面処理していないヒーターを利用して物体を温めた時に、温まる時間や温度に違いがあるのだろうか比較してみました。
実験実施: 2005年5月

 1. 実験準備

 八光製 規格品 投込みヒーター A型(型番:AWA1510)  100V 1kW と、それと同形状・同仕様のヒーターで表面を遠赤コーティングしたヒーターを用意します。

遠赤コーティング無しヒーター

遠赤コーティング有りヒーター

 2. 実験方法

 約1.7kgの氷を入れた金属バケツを2個用意し、ヒーターと温度測定センサーを設定しました。
 同じ容量のヒーターの遠赤コーティングの有無によって氷(固体)から水(液体)、そして水蒸気(気体)に状態が変わる際に何か違いが出るのでしょうか?

 3. 実験結果

 グラフを見ると、5分を過ぎた辺りで急激に温度が上昇しており、これは温度センサーをしっかり固定していなかったため氷が解けてセンサーがヒーターの近くに動いてしまったためだと思われます。

 遠赤コーティング有りの場合も、5分過ぎに急激に温度が上昇しており、この場合もコーティング無しの時と同様、センサーが動いてしまったためだと思われます。

遠赤コーティング有り無しの比較温度変化グラフ
 二種類のデーターを比較してみると、目だった温度変化の差はなく、ほぼ同じ速度で温度変化していることがわかります。

 目で見た感じでも、氷の溶け具合は同じでした。
 最終的には、氷が全て溶けきった時間もほぼ同じです。

 4. まとめ

 水(氷)の加熱は実際に目で見た感覚と温度データーから見ても遠赤コーティング有る無しとではまったく変わらないことがわかります。遠赤外線ヒーターの効果は見られませんでした。
 ただの水を温めるのであれば今回の実験の結果から見て、規格の投込みヒーターを用いればいいのかもしれませんが、遠赤効果が得られるような実験を探していきたいと思います。例えば水ではなく、油(フライヤー)にしてみるとどうなるか次回にチャレンジしてみたいと思います。
担当: 中澤