LABORATORY熱の実験室

 ● ヨーグルトを作ってみる

 前ページまでの、Paspberry Piの関連以外に、使用したものは。
  • 使用していない電気ポット(断熱容器として使用し、電源は接続していない)
  • シリコンラバーヒーター (100V 120W)
  • 牛乳(500mL入りの紙パック)
  • ドリンクタイプのヨーグルト
 牛乳に、ドリンクタイプのヨーグルトを少し入れ、紙パックの口を押えて、よく振ります。  電気ポット内には、シリコンラバーヒーターを設置します。  牛乳と温度センサーを入れて、ふたを閉めます。
 温度センサーは、th5は電気ポット内の空中につるして温度コントロール用、th6は室温測定用、th7は牛乳の紙パックの上下中心付近にアルミテープで貼り、牛乳温度測定用としました。
 温度コントロールのプログラムは、43℃-480分、10℃-60分です。終了すると、温度の記録も終了してしまうので、ヒーターをOFFにした後の温度も記録するため、室温より低くヒーターがONにならない(10℃-60分)を加えてあります。
設定から
約40分後
終了後
温度制御
 温度制御に使用したth5の温度は、4回波打った後、開始後50分くらいからほぼ一直線で、安定しています。初回のオーバーシュートを抑えた後、設定温度とのズレを修正するプログラムにしてありますが、1回目の波より2回目の波が大きいことから、オーバーシュートを抑える作用が大きすぎたようです。
消費電力
 記録したDuty比から、加熱した480分間の平均は9.41%だったので、定格120Wのヒーターが、平均11.29Wということになります。全電力消費量は90.34Whでした。
牛乳の温度
 牛乳を冷蔵庫に入れてあったので、室温と同じくらいまで上昇するのに30分近くかかっています。40℃まで上昇するには3時間以上かかっていて、空気中の雰囲気加熱では、熱伝達が良くないことがわかります。
 5時間経過した後、温度上昇が鈍くなった状態から、急にth5と同じ温度まで上昇しています。たぶん、ヨーグルトになることで粘度が上がり流動しにくくなり、表面だけ温度上昇したと思われます。
ヨーグルトの状態
 特に問題はありませんが、酸味が弱く、固まり方が弱めでした。好みもありますが、空気中の雰囲気加熱で温度上昇が遅いので、1~2時間長くした方が良さそうです。

 ● まとめ

 スマートフォン用のソフトを作り、グラフで運転確認できるようにすると、調理用の温度コントローラー + データロガーとして大変便利です。調理するハードの部分を整えれば、調理器として実用的に使えそうです。低温調理では、途中で何か作業する場合もあると思いますが、ブザーやLEDで合図を出し、スマートフォンの画面に次の手順を表示するようにすれば、面倒な調理でも、レシピを見ながらでなくてもできそうです。