LABORATORY熱の実験室

元祖 [熱の実験室] 第28回 - ラズパイ2で機械式温度コントロール

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。

第28回(2015年11月)の実験
 カードサイズのコンピューター、ラズパイ2(Raspberry Pi 2)は、サーボモーターを動かすこともできます。このサーボモーターを使って、ヒーターと加熱する物体の距離を変える方法で温度コントロールしてみました。
 通常の温度コントロールは、ヒーターに加える電圧を ON-OFF することで行いますが、今回の方法は、火にかけたフライパンが熱くなりすぎないように、適当に上げ下げするのを、自動でやるイメージです。

 ● 実験に使用した器具

  • ラズパイ2(Raspberry Pi 2 Model B)
  • ブレッドボード
    ラズパイ2の GPIO(入出力端子)に、サーボモーターやADコンバーターなどの回路を接続しています。 なお、上の写真にある LED とボードの右にある青い物体(照度センサー)は、今回使用していません。
  • サーボモーター
    任意の回転角度に制御できるモーターです。ステンレス板を上下させます。
  • シリコンラバーヒーター
    100mm × 100mm。10mmの断熱材(シリコーンスポンジ)を下側に貼ってあります。通電すると、約150℃になりました。
  • ステンレス板(36mm × 100mm × 厚さ0.8mm)
    加熱する物体です。左側は、10mmのシリコンーンスポンジに載せています。右側だけサーボモーターの回転により上下します。
  • 温度センサー(サーミスタ)
    温度で電気抵抗が変化する素子です。ステンレス板の上に、アルミ粘着テープで固定しました。
 温度センサーの抵抗値変化により、ADコンバーターに加わる電圧が変化するように、ラズパイ2の 直流出力3.3V を抵抗で分圧しています。ADコンバーターからラズパイ2に入力されたデジタル信号から、プログラムで温度を算出します。この温度により、サーボモーターの回転角度を決めます。

 ● 予備確認

 ステンレス板の上下位置により、何℃になるか確認しました。
下がった状態。右側の高さ 10mm。 上がった状態。右側の高さ 35mm
 温度センサーで検知した温度は、一番下がった左の状態で、約 70℃、一番上がった右側の状態では、約 55℃になりました。

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