元祖 [熱の実験室] 第21回 - 海と融雪剤、クルマが錆びるのは?

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。  

  第21回(2006年7月)の実験

 夏になると、クルマで海に行くことも増えると思います。海岸沿いの道路では、波しぶきが飛んでくるし、中には、波打ち際を走る道路もあります。喜んで走ると、「洗車しないと錆びる」とおせっかいを焼かれることもあると思います。
 ところが、冬には路面の凍結を防止するために、塩カル(塩化カルシウム)などの融雪剤が散布されますが、これは海水の塩分濃度(約3%)とは比較にならない高濃度になり、乾くと、アスファルトもクルマの両サイドも白くなるほどです。そして、これは日常的に散布されるので、いちいち洗車できません。


波打ち際を走ると、クルマが錆びる

冬の、路面の融雪剤もクルマが錆びる
 海水と塩カルで、錆びやすさに差があるのか? 同じようなものなら、波打ち際も、気兼ねなく走れるのでは? というのが今回の実験テーマです。

 ● 用意した液体

海水
 新潟県糸魚川市の海から、新鮮な海水を採取してきました。なお、砂浜でペットボトルに水を入れるのは、大変だということが良くわかりました。水の中に入らないと不可能です。
 海水には、場所によって違いますが、塩分が約3.4%含まれていて、その内の、約78%が塩(塩化ナトリウム)です。1リットルの海水には、約26gの塩が含まれていることになります。
塩カル3%
 融雪剤として販売されている塩カル(塩化カルシウム)を水道水に溶解し、海水と同程度の3%水溶液にしました。

塩カル30%

 路面に散布されている、高濃度の状態を想定して、30%水溶液も用意しました。塩カルの溶解度は、0℃のとき37.3g(100gの飽和水溶液中)なので、30%は限界に近い値です。溶解するとき発熱し、水温が上がります。
 なお、塩化ナトリウムの溶解度は、0℃のとき26.3g(100gの飽和水溶液中)なので、こんなに高濃度にはできません。

 ● 実験の方法

液体
 海水、塩カル3%、塩カル30%

金属
 鉄、アルミ、ステンレス(SUS304)
 金属板は、30×100の長さに切ります。
 1リットルガラスビーカーの中に、3種類の液体を600ml入れ、一度液中に浸した金属板を立てます。金属板は、一部液外に露出した状態になります。