元祖 [熱の実験室] 第19回 - ハードディスクを壊す

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。  

  第19回(2005年9月)の実験

 パソコンで壊れると困るのは、何といってもハードディスクです。バックアップをきちんととっていないと、データを全部失ってしまうし、バックアップがあっても、元の環境に戻すのは大仕事です。
 そんな、普段は壊れてほしくないハードディスクですが、捨てるときはデータを完全に消去する必要があります。それが面倒で、ハードディスクを外してパソコンを捨てていると、このように、古いディスクがたまってしまいます。

 ● ハードディスクのデータを完全消去する方法

消去方法 コメント 判定
データ消去ソフトなどで処理する。 既にパソコン本体がないので面倒。時間もかかりそう。
油圧プレスなどで、完全に破壊。 後始末が大変そう。 ×
温度を上げて破壊する。 まとめて処理できる。温度を上げすぎると悪臭発生などありそう。
 温度を上げると、先にコネクターや基板上の電子部品が壊れると思いますが、磁気ディスクのデータも消えるはずです。作業方法も、まとめて庫内に入れれば簡単です。

 ● 実験のために準備したもの

USB接続のHDDケース
 ハードディスクが壊れたかどうか? 判別するには、データが読めるように、パソコンに接続する必要があります。パソコンのマザーボードのコネクターに直接接続したのでは、交換の都度電源をOFFする必要があるし、壊れたハードディスクでパソコン本体まで壊れると困るので、USB接続のHDDケースを買ってきました。なお、全部が古いハードディスクのためか、このUSB接続ケースでは読むことができない機種もありました。

シリコンラバーヒーター
 高温の庫内にハードディスクをまるごと入れてしまうと、コネクター部などが先にダメになる可能性があります。動作中の加熱も、熱に弱いフラットケーブルを接続した状態では不可能です。そこで、シリコンラバーヒーターを貼り付けて加熱することにしました。
 使用したヒーター: 型番:SHB2033(幅×長さ 100×100、定格 100V 60W)

デジタルファインサーモDG2
 シリコンラバーヒーターの表面に熱電対を設置して、DG2で温度コントロールしました。

 ● 実験の方法


表側の温度測定箇所: 本体、ヒーター

裏側の温度測定箇所: アルミフレーム、チップ
 シリコンラバーヒーターは、ハードディスク表側の、磁気ディスクがある側に両面テープで貼りました。
 ハードディスクの機種によって、測定位置は違いますが、このように、シリコンラバーヒーター表面とハードディスクの各部に被覆熱電対を貼り付け、温度を測定しました。
 ハードディスクの動作状態は、次のようにして、常時確認します。
  • 約1MBのテキストファイルを、100ファイル作成し、実験するハードディスクにコピーする。
  • バッチファイルで、"fc a001.txt e:\a001.txt"というように、パソコンの内蔵ディスクのファイルと、実験するハードディスクのファイルを001~100の順に繰り返し、相違がないか比較する。
  • 正常なら、"FC:相違点は検出されませんでした"と表示される。
  • 異常なら、データを読み込めないか、相違があった行が表示される。