LABORATORY熱の実験室

 ● 日光で加熱

 直射日光が垂直に当るように角度を調整して、窓際に置きました。3月上旬ですが、暖かく風もほとんどない穏やかな気候の日で、安定した測定ができました。雰囲気温度は約22℃でした。
 温度上昇は、このようになりました。なお、物質表面から銅板への熱伝達しやすさがバラバラなので、温度上昇カーブの比較は意味がありません。
 黒艶消し塗料が、見た目通りダントツで温度が高くなっています。省エネ塗料は、4種類の白い物質の高い方から2番目で、アルミ箔と同程度です。マグネシアは一番低くなっています。
省エネ塗料の性能
 太陽光線の、地表面の理想的な条件でのエネルギー強度は、0.9kW/m2 ということです。省エネ塗料の熱反射率:99.61%が正しければ、1m2の面が吸収するエネルギーは、900×(1-0.9961) = 3.51[W] という計算になります。3.51Wでは、無風状態でも0.5℃しか温度上昇しないことになりますが、実際は13℃程度上昇していますので、1m2当り100Wくらい吸収していることになります。
 マグネシアは明らかに省エネ塗料より低くなっていて、同様の計算で65Wくらいしか吸収していません。放熱シートも省エネ塗料より少し低くなっています。
 一般的な有色の屋根材、外壁材よりは、熱の吸収が小さいはずですが、白い物質としては、熱反射率という点で見て平凡な特性ということになりました。