LABORATORY熱の実験室

 

 ● 頭寒足熱たまご

 遠心分離たまごは、実験がけっこう大変だったのに、あまりパットした結果は出ませんでした。しかたない、もうひとつ実験をやろうと安易にやったのが、中心部ではなく、上が固まっていない半熟のたまごで、「頭寒足熱たまご」ということにしました。
● 実験の方法
 たまごを半分だけ加熱するために、ゴムシートにたまごの直径と同じ大きさの穴をあけ、これにフランジ付のパイプを固定して、たまごの上下が遮断されるようにしました。たまごは、耐熱性の両面テープを巻いてからゴムシートの穴に入れ、落ちないようにしました。
 この状態で、たまごの下半分は80℃のお湯で加熱して、上半分はパイプの中に水を入れて冷やします。水の温度が上がったら氷を足します。たまごの上下の温度差で、割れるのが心配されます。
● 実験結果
 40分間加熱をしましたが、殻が割れることはありませんでした。
 80℃で加熱した下側から殻を割ると、白身は完全に固まっています。上の方まで殻をむいていくと、そこは完全に生たまごです。黄身は全く固まっていませんでした。
 食べても、生たまごの一部が固まっている、というそのままのものでした。半分だけ加熱するといっても、反対側を氷で冷やすのは、ちょっと極端だったようです。半分は完全に固まる温度で、もう半分は固まらない程度の温度(60℃くらい?)で加熱すれば、半分半熟のたまごになったかもしれません。

 ● まとめ

 「遠心分離たまご」は、もっとはっきりした異常な状態になることを期待したのですが、遠心力の影響は認められる、という程度にしかなりませんでした。まあ、こういう方法で加熱されたたまごは、めったにないはずなので、そういう意味では貴重な結果かもしれません。
 「頭寒足熱たまご」は、「遠心分離たまご」の結果があまり面白くないから、とやってはみましたがー... ところで、日本人は一般に頭寒足熱が徹底していますが、実際に体に良いのでしょうか? 例えば日本のクルマは暖房にすると足元から強い温風が吹き出しますが、海外のクルマでは、足元からも少し温風が出る、という程度のもあるし、どうもわからないところです。