元祖 [熱の実験室] 第11回 - 白い物質の放射加熱特性

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。  

  第11回(2003年4月)の実験

 別館 エスハイ実験室 第15回 「放射冷却の測定-ロード版」と、第16回 「夜中の温度測定-野辺山偏」 では、黒色艶消し塗装表面と、光沢表面のステンレス板の比較をしましたが、そのとき、ついでに測定した発泡スチロールの温度に、意外な結果が現れました。
 その結果から推測されるのは、発泡スチロールの表面は、波長の短い太陽光線は吸収しにくい(短波長側で放射率が低い)が、長波長側で放射率が高いので、持っているエネルギーを赤外線として放出しやすくて温度が低くなる、ということです。
 白い物質と言うのは、可視光線を吸収しにくいので白く見えるわけですが、波長の長い赤外線も同じように吸収しにくいわけではありません。今回は、いろいろな白い物質を加熱してみて、放射加熱特性を調べることにしました。

 ● 加熱する物体

 30mm角の銅板の表面に、測定する物質を両面テープで貼り、裏面にはKタイプの被覆熱電対(熱電対素線を、フッ素樹脂で絶縁被覆したもの)を アルミ粘着テープで貼り付けました。これを、断熱用の発泡スチロール材表面に貼り、軽くて不安定なので合板に固定しました。測定する物質は、写真の右から次の通りです。
No.1:アルミ箔 (比較用)
No.2:マグネシア - マグネシア(酸化マグネシウム)微粉末を、水で練ったものを塗布・乾燥
No.3:綿布 - 薄手の、平織りの布
No.4:シリコーンゴム - 白色のシリコーンRTV(室温硬化型のゴム)を塗布・硬化
No.5:発泡スチロール - 約3mmの厚さに切断
No.6:樹脂加工紙 - 透明樹脂で表面保護された厚紙
No.7:PPCコピー用紙
No.8:黒艶消し塗装 (比較用)
 No.1:アルミ箔は、放射率が低い比較用、No.8:黒艶消し塗装は、放射率が高い比較用です。他の6種類が白い物質です。

 ● ヒーター(熱源)

日光 - 太陽光線
 熱源温度: 5780K(ケルビン)
ハロゲンランプ
 100V 150W の、照明用ハロゲンランプ 色温度:2800K
遠赤外線ヒーター ハイレックス
 型番:HHS1210
 定格:単相200V 1kW
 熱源温度:873K
シリコーンラバーヒーター
 表面ワット密度 0.6W/cm2
 熱源温度:473K

 表面ワット密度 0.3W/cm2
 熱源温度:398K

 ● データレコーダー

 熱電対からの電圧をデジタル変換して、ノートパソコンに取り込むレコーダーです。