LABORATORY熱の実験室

 ● サーモ30S (PID制御)

 サーモ30Sは、PID制御で温度をコントロールします。

 比例動作(P)…設定温度の上下に比例帯を持ち、比例帯の一番下で0%、設定温度では50%、比例帯の一番上で100%と、温度によってヒーターの発熱量 を変化させるのが、比例動作です。

 積分動作(I)、微分動作(D)…ところが、設定温度のときの50%の発熱量が、温度を保つのに必要な発熱量とは限らないため、設定温度に対してズレを生じてしまいます。これを、設定温度に一致させるための動作が、積分動作と微分動作です。

 設定温度の80℃まで上昇した後も、上昇速度が低下しているものの、86℃程度まで達しています。その後徐々に78℃程度までに低下した後に再度上昇し、設定温度になりました。

 設定温度の80℃に達してから温度が安定するまでに、約50分を要しています。これは、小さな水槽に、大容量 の10kWのヒーターを使用しているために、80℃を保つのに必要な発熱量が、10kWの50%よりはるかに小さいためと考えられます。

 温度分布は、No.1 の底が一番温度が低く、No.3の中間がもっとも高い温度になっていて、その差は2℃程度です。