● 水の加熱 -4

 ヒーターに加える電圧を上昇させたときの、水温とヒーター表面の温度は、下のグラフのようになりました。
 水温は、既に沸騰しているので、ヒーター表面のワット密度が上がっても変化しません。
 ヒーターの表面温度は、ワット密度が高くなるにつれて上昇していますが、大きな上昇ではありません。
 ヒーターシースの場所により、上 > 下 >横 という温度になっています。

 ● 水の加熱 まとめ

(1) 沸騰していないとき

 ヒーターから水へ熱を伝えるためには、ヒーターの温度は水の温度より高い必要があります。ところが、この必要な温度差が 60℃とすると、水温40℃のときに、ヒーターの温度は沸点に達する必要があることになります。そうすると、ヒーター表面に触れた水は沸騰して蒸発しますので、ヒーターの温度上昇は、ここで頭打ちになります。

(2) 沸騰してから

 水の温度は沸点より上がらないので、ヒーターからの熱は、全て水を沸騰させるために使用されると考えられます。今回実験をした、ワット密度 10~50W/cm2 の範囲は、核沸騰と呼ばれ、水蒸気の上昇で攪拌することにより、熱伝達が非常に大きくなっています。沸点より数℃高いだけのヒーターから大きな熱を伝達することができます。この現象は100W/cm2 以上まで続き、その後、気泡が逃げることができないほど急速に水蒸気が発生すると、蒸気の膜が形成されて、ヒーターが急激に温度上昇する現象が知られています。
 沸点で蒸発するときは、水1g当り 2257J の熱を奪いますので、ワット密度 10W/cm2 のヒーター では、1cm2 の表面から、1時間当り15.93g の水蒸気が発生する計算になります。これは、100℃の飽和水蒸気で 26,639cm3 の体積になります。今回実験したヒーターを、ワット密度 48.6W/cm2 で通電した時は、1秒当り 1,798cm3 の水蒸気が、ガラスビーカーから発生する計算になりますので、激しい蒸気発生が見られることになります。