LABORATORY熱の実験室

元祖 [熱の実験室] 第2回 - 液体中のヒーター温度を測る

「熱の実験室」のコーナーでは、熱を利用した身近な実験を行なっています。

  第2回(1997年9月)の実験

 水や油を加熱しているヒーターの温度は、何℃になっているでしょうか。
 空気中で通電しているヒーターは、表面の温度が 600℃位まで上昇すると、赤みがかって見えはじめます。ストーブの、はっきりと赤熱しているヒーターは、700℃以上になっています。また、目では確認できない低い温度でも、手などを近づけると、放出される赤外線によって、大体の温度を感じ取ることができます。
 しかし、水や油の中のヒーターからは、直接温度を感じ取ることができません。これを、実際に熱電対で測定することにしました。

 ● 実験実施日:1997年9月10日

 ● 実験に使用した器具

  • ヒーター

     水用投込みヒーター  型番:AWA1105  定格:100V 500W
     ニッケルメッキされた銅シースのヒーターです。

  • 熱電対

     Kタイプ熱電対の素線(+:クロメル線、-:アルメル線)φ0.2
     細い素線を使用して、測温点(クロメル線とアルメル線の接合部)を直接シース表面 に取付けることで、正確に温度測定ができます。太い熱電対では、液体によって測温点の温度が低下し、実際より低い温度として検出されます。

  • ガラスビーカー
  • 打点式温度記録計

 ● 実験の方法

 上のイラストのように、ヒーター発熱部のシースに、上・横・下 3ヵ所の熱電対を金属線で固定し、ヒーター表面 温度測定点としました。発熱部のシースに金属線を渡し、その中央に熱電対を固定して、液温測定点としました。
 これを、液体が入ったガラスビーカーに入れて、ヒーターを通電しました。

 ● 加熱した液体

  •  普通の水道水です。

  • シリコーンオイル

     耐熱タイプの、熱媒用のシリコーンオイルを使用しました。常温での動粘度が、約 100mm2/秒のものです。

 ※ 注意

 今回の実験は、正常なヒーターの使用方法ではありません。定格電圧を超える電圧の印加、適用外の液体中での使用は、しないでください。