LABORATORY熱の実験室

 

熱の実験室 別館
エスハイ実験室 第20回

 エスティマハイブリッド(エスハイ)を使った実験室 

 ● 今回のテーマ(熱気球を上げたい-球体製作編)

 エスハイの100V電源を使用したヒーターで、熱気球を上げる。これは、エスハイ実験室を始めたときからやりたいと思っていたテーマですが、難易度が高くてなかなか実施できないでいました。難しいのは今も変わりませんが、とりあえず挑戦することにしました。
 熱気球とはいっても、熱量が小さいので、風船の大きいもの程度ですし、結局うまくいかずに上がらない可能性もありますが、挑戦過程を書いていきます。

 ● 球体の材料は

 熱い空気が入る球体は、(1)軽くて強い (2)ある程度の耐熱性 (3)空気が漏れない ということが必要です。一般の気球に使用するような布では、入手方法もわからないし、製作する技術がなくて、無理そうです。いろいろ考えましたが、選んだのはポリエチレンのシート、要するに、ゴミなどを入れる袋です。
  • 材質: 高密度ポリエチレン
  • 寸法: 800mm×900mm
  • 厚さ: 0.02mm
  • 色: 半透明(白色)
 透明だと作業しにくそうで、カメラ写りも悪そうなので半透明の袋にしました。この袋を近所のスーパーマーケットで買ったのが、昨年(2002年)の10月頃でしたので、半年以上手を付けずにいた、ということになります。
 球体にするには、展開した形状に切断したものを貼り合わせる必要があります。一番軽量で強度もありそうなのは、シートとシートを重ね合わせて融着する、袋の底の部分のような方法です。試験して見ましたが、平らなもの2枚を貼り合わせるだけならともかく、複雑な部分はできそうもありません。結局、一番安易な両面テープを選択しました。アクリル系粘着剤を使用した、普通の事務用両面テープです。

 ● 球体の展開図を設計

 球体の直径は2mとしました。
 ポリエチレン袋の底を切って広げると、1600mm×880mmのシートになります。この寸法制約から、球体表面を17分割することにしました。基本的には8分割ですが、北極部分は八角形に分け、その下の部分は、赤道より少し下で分割してあります。右の図で、ブルーとピンクが各8枚、グリーンが1枚になります。この形状に、のりしろ(両面テープを貼って重ねる部分)を加え、展開した平面図は下の形状です。



 ブルーとグリーンはポリエチレンシート1枚から1枚ですが、ピンクは2枚取れますので、ポリエチレン袋13枚に割り振ることができます。