LABORATORY熱の実験室


 ● エスハイの電気料金の評価

 停止状態の電気料金単価は、一般家庭の電気料金の4~5倍になってしまい、それほど経済的とはいえません。走行時については、走行状態によって違いますが、区間によっては一般家庭の電気料金に近いような値にもなりました。一概に評価はできませんが、以下に比較などします。

■ 携帯用発電機との比較

 実験はしていませんが、発電機のカタログ表示から、ガソリンが100円/Lとして計算すると、定格電力時の電気料金単価は57~65円/kW・h程度です。エスハイはこれより大分高いですが、計算した従量料金Bとは同程度になります。発電だけをしている携帯用発電機と、走り出せるように待機しているエスハイの違いのようです。しかし、エスハイのAC電源はメインの機能ではないので、ガソリン代だけ計算すれば一応OKなのに対し、携帯用発電機はそれ自体の価格と、メンテナンスに必要な費用がありますので、これが計算した基本料金Aと比べてどうなのか? については使用量などによります。
 走行時については、走行状態によるものの、携帯用発電機と同等か、それより低い電気料金単価といえます。

■ ガソリン燃料の発電機として

 一般家庭の電気料金と比べると、エスハイも携帯用発電機も電気料金が高いですが、これはガソリン自体が税金などにより高いので、ある程度やむをえません。ガソリンの発熱量:32.7MJ/Lとし、ガソリンエンジンの効率:30%、発電機を含めエンジンより後の効率:80%とすると、32.7×0.3×0.8=7.85[MJ/L]=2.18[kW・h/L]になりますので、100円/Lとして電気料金単価は、100/2.18=45.9[円/kW・h]になります。ガソリンを燃料にして発電すると、これより低い電気料金単価にはできないことになりますが、エスハイは回生ブレーキでも発電していますので、走行条件によってはこれより低い電気料金単価になります。

■ 自動車として

 エスハイを、停止した状態で使う発電機としてだけ見ると、電気料金は高めです。でも走ることがメインの自動車としては、電気の使用量に応じてエンジンが回ったり止まったりしてムダがないし、走行中の使用では電気料金が低めになるので、魅力度がアップします。ただ、実験ではエスハイ用負荷抵抗器でむりやり電気を使ってますが、今のところ走行中に大電力を使う用途が思い浮かばないのですが。